2022年2月、
多くの命が
脅かされ始めた。
- ウクライナ人道危機への救援活動報告 -
突然変わってしまった世界は、
たくさんの命を奪い、
たくさんの命の危機を
生み出してしまいました。
赤十字は、皆様の支援を基に、
命を救うための活動を行ってきました。
避難、住居、水、食料、医療、捕虜訪問、
さまざまな形の支援は、
多くの命を救い続けています。
MOVIE
国際赤十字
この1年の活動の軌跡
2022年2月24日以来、赤十字は世界に広がる
ネットワークと活動のもとこの人道危機に
立ち向かい続けてきました。
この1年を映像で振り返ります。
ウクライナとその周辺国で、
赤十字は人の命と尊厳を守る
活動を続けています。
国際赤十字の主な活動実績
(2022年12月31日時点)
避難・移動支援
80万5,000人
戦闘の長期化により戦線が前後に移動する中で、市民の安全な経路での避難誘導や避難民の国内外への移動を支援しています。見知らぬ街に降り立った避難民を支援するため、移動の要となる駅や、避難民の多く集まる地域では、「人道支援サービス拠点」を設置し、救援物資の配付や避難生活に役立つ現地情報の提供などを行っています。
保護活動
24万5,000人
脆弱な立場にいる女性・子ども・高齢者・障がい者等の保護は赤十字が最も重要と考える支援の一つです。子どもの遊び場(チャイルド・フレンドリー・スペース)を設置し、紛争下でストレスを抱える子どもや保護者の息抜きとなる場所を提供しています。また、離ればなれになった家族の再会支援、性暴力の被害者ケア及び予防啓発、捕虜施設の訪問など、国際人道法に基づいた赤十字のユニークな支援を行っています。
居住支援
189万人
ウクライナの人口の3分の1にあたる1,400万人以上が住むところを追われました。赤十字は避難所や仮設住宅、宿泊施設の提供、家屋の修繕支援を行い、住まいを確保しています。また、発電機やストーブの配付により、厳しい冬をしのぐことができる住環境を整えています。
物資など基本的支援
1,455万人
多くの人々が身の回り品だけを携えて家族と離ればなれとなって国内外に避難しています。赤十字は人々の生活に必要な物資や食料・水のほか、衣服、毛布、そして最新情報を入手し、離れた所にいても家族や友人とつながりを保てるよう、外国でも使えるスマートフォンのSIMカードなど、幅広い物資を届けています。
安全な水の提供
1,060万人
給水施設が破壊されたため、給水タンクや浄水剤、衛生用品の配付等を行っています。また、攻撃を受けた水道インフラの修繕や、地方水道局と協力して水道を復旧するなど、人々が安全な水を使えるよう支援しています。
保健医療支援
119万人
慣れない土地での避難生活は、心身に大きな負担を与えます。避難民向けの巡回診療や訪問看護を通じた医療サービスの提供により、医療アクセスの難しい地域への支援を行っています。また、医療施設への医薬品や医療器機の供給(戦闘地域の施設を含む)により、一人でも多くの人に医療が行きわたるよう支援しています。
現金給付支援
120万人
避難民の多くは収入を絶たれており、当面の生活に充てるお金が必要になります。赤十字は目的を限定せずに使用できる現金や引換券の給付を行い、受給者の尊厳を守りながら生活を支援しています。一部の地域では、デビットカードでの給付により生活支援金が毎月提供される仕組みを採用し、個々人のニーズに合った支援を可能にしています。
ウクライナ人道危機救援金
82億5,657万9,745円
(2023年2月1日時点)ウクライナ国内の紛争地域から
周辺国の避難地域まで、
幅広い支援活動に活用されています。
赤十字国際委員会(ICRC)による
紛争地域での支援活動
25億円
命の危機が迫る戦闘地域では、赤十字国際委員会(ICRC)を中心に紛争犠牲者支援(避難民/負傷者/被拘束者含む)、民間人の保護を行っています。
負傷者の応急手当をはじめ、水・食料・医薬品などの物資配付、家屋やインフラの修繕のほか、地雷や不発弾の撤去やリスク啓発、安全な経路による自主避難の誘導など中立・公平な立場から支援を続けています。
また、捕虜・被拘束者を訪問する権限を持つICRCは、収容環境のモニタリングや本国の家族への情報提供を行い、紛争下においても人間の尊厳が守られるよう人道的な支援を続けています。
国際赤十字・赤新月社連盟による
避難地域での救援活動
25億円
家族や故郷を離れ、避難を余儀なくされた人びとを受け入れる地域では、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)を中心に主に避難民への支援を行っています。
物資支援はもちろん、電力・水などインフラへの支援、現金給付等により生活を支えています。また、慢性的な病気に対する医療支援や、武力紛争で非日常の体験をしている避難民の方々へこころのケアを実施し、人びとの心身の健康を守るため活動を続けています。
このような活動には、日赤からも専門の技能を持つ職員を派遣してきました。
日本赤十字社・ウクライナ赤十字社による
ウクライナ各地での
救援・復興支援活動
32.6億円
前述の国際機関を通じた支援とは別に、日赤は現地ウクライナ赤十字社と直接協議して、日本赤十字社の強みである保健医療分野を活かした機材支援や技術支援のほか、以下の支援事業を展開しています(2023年1月現在)。今後、更に支援を拡大する予定です。
- ■厳冬期対策支援
- エネルギー供給が限られる中で厳しい冬を越せるよう家庭用ストーブ(3,000台)や中型・大型発電機等を支援
- ■巡回診療支援(イヴァノ=フランキウスク州)
- ウクライナ西部の避難民の健康を守るため、医療者(自ら避難者である者を含む)による山間部巡回診療を支援
- ■救急車支援
- 国内各地で救急患者を安全に移送するための救急車10台を支援
- ■緊急対応基金支援
- 東部戦闘地域などで緊急対応案件が発生した場合の活動資金に充てられる基金を支援
- ■リハビリテーションセンター支援(リヴィウ州)
- 戦傷者・避難民増加により身体的リハビリテーションの需要が急増しているため、リハビリテーションの増築やリハビリ技術を支援
- ■現金給付支援
- 避難民などが当面の生活に充てられる支援金を支援
MOVIE
日本赤十字社×ウクライナ赤十字社
ウクライナ各地での
救援・復興支援活動
日本赤十字社がウクライナ赤十字社と
共同で進める支援について、
日赤職員が2023年1月から2月にかけて
現地の状況を調査しました。
赤十字の活動で救われた方々
ありがとうの声
ヴァレンティナさん
ナターシャさん
ウクライナから避難したヴァレンティナさん(右)と娘のナターシャさん(左)は、現在クラクフ近くのポーランド赤十字の宿舎で暮らしています。「明日がどうなるのかわからない悲しみと恐怖のこの苦しい時間の中で、今ここで過ごすことができていることにありがたさを感じています。そして、とても重要な仕事をしている赤十字に感謝しています。」
インナさん
59 歳のインナさんは3月にウクライナ東部ハルキウからウジュホロドに家族と一緒に避難してきました。「当時私たちは7人を乗せた車でハルキウを出発しました。着ていた服だけ、荷物は何も持たずに飛び出してきました。私たちが今持っているものはすべてウジュホロドの赤十字のボランティアから提供されたものです。 この箱の中には洗剤、石鹸、シャンプー、トイレットペーパー、歯磨き粉、使い捨てのカミソリ、その他の衛生用品が揃っています。中でも特にありがたいものは洗剤です。こうした物資と赤十字のすべての支援にとても感謝しています。」
ミハイロさん
ウクライナ南部ミコライウから避難してきた32歳のミハイロさんとその家族は、イヴァノ=フランキウスク州コシブにある集合避難所で暮らしています。ミハイロさんは紛争の爆発の影響でけがを負い、意識のない状態でした。手術や懸命なリハビリを行い、現在は松葉づえをついて歩けるまで回復しました。集合避難所に来たウクライナ赤十字社の巡回診療チームの診療を受け、頭痛薬をもらいました。「ミコライウの病院からこちらに避難するときにも赤十字のボランティアに助けてもらい、現在もこのような医療の支援をもらい本当に感謝しています。」
ウクライナ人道危機救援金
今もなお多くの方が助けを必要としています。
引き続き皆様のご支援をお願い致します。
さまざまな寄付の方法をご用意しています。
ゆうちょ銀行・郵便局
口座名義 日本赤十字社
※振替用紙の通信欄に「ウクライナ人道危機」とご記入ください。
※窓口でのお振り込みの場合は、振込手数料が免除されます。
(ATMによる通常振込みおよびゆうちょダイレクトをご利用の場合は、所定の振込手数料がかかります)
※ゆうちょ銀行の振込用紙の半券が、受領証の代わりとして、税制上の優遇措置が受けられます。※受領証をご希望の場合は、振替用紙の通信欄に「受領証希望」と明記のうえ、ご依頼人欄に「お名前・ご住所・お電話番号」を記載してください。(事前登録は不要です。)
※現在大変多くの協力をいただいていますので、受領証発行には3ヶ月程お時間を要します。ご了承ください。
銀行振込
普通 2787781
②三菱UFJ銀行 やまびこ支店
普通 2105784
③みずほ銀行 クヌギ支店
普通 0623471
※ 口座名義はいずれも「日本赤十字社」。
※ ご利用の金融機関によっては、振込手数料が別途かかる場合がございます。
※ 受領証をご希望の場合で、お振込みの際は下記ボタン「事前登録はこちら」から事前に登録手続きをお願いいたします(事前登録画面で「受領証の発行希望(郵送)」または「受領証の発行希望(ダウンロード)」をご選択ください)。
事前登録はこちら
※受領証を希望されない方は登録の必要はございません。
※銀行振込にて上記の事前登録が難しい場合につきましては、「受領証希望」の旨と下記①~⑧を日本赤十字社パートナーシップ推進部あてFAX(03-3432-5507)またはお問い合わせフォームにてご連絡をお願いいたします。
①救援金名 ②氏名(受領証の宛名) ③住所 ④電話番号 ⑤寄付日 ⑥寄付額 ⑦振込人名 ⑧振込先金融機関名・支店名
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