血清学的検査等
-血清学的感染症検査・生化学検査によるスクリーニング-

献血時に採取する検査用検体

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献血の採血時には、原料血液と共に5本の検査用検体を採取します。

  1. 血液型検査用
  2. 感染症(血清学的検査)/生化学検査用
  3. 血球計数検査用
  4. 核酸増幅検査用(HBV、HCV、HEV、HIVの4種のウイルス)
  5. 保管検体用(遡及調査時に必要な検査を実施します。)

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  • 検体は、に全国8カ所の血液センター検査施設に搬入し、原料血液に対するスクリーニングを実施します。
  • 原料血液は、全国12カ所の製造施設に搬入し、検査と並行して製剤化します。
  • 検査結果は、全国をつなぐコンピューターシステム(血液事業情報システム)により製造施設に伝達され、検査不合格となった製剤は確実に除外されます。

血液型検査

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初めて献血する時は、採血会場で簡易的な血液型検査により仮の血液型を決め原料血液を採血しますが、血液センターの検査部門では、血液型検査用検体を用いてより精度の高い方法で正確に血液型を判定します。

決定した血液型は、コンピューターシステム(血液事業情報システム)により献血者個々の献血者コードを付けることで、次回以降は日本のどの献血会場においても正しい血液型がわかるようになっています。

検査の結果、稀な血液型の場合は、その血液型の患者に備え、出現頻度に応じて赤血球液あるいは冷凍血液としてストックされます。また、不規則性抗体を検査することで臨床上意義のある不規則抗体が陽性の赤血球液を除いています。

感染症(血清学的検査)/生化学/血球計数検査

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感染症検査(血清学的検査)のうち、HBV、HCV、HIVの検査は核酸増幅検査と並行して行い、両方の検査結果を併せて適否を判定します。
生化学と血球計数検査の結果は、献血受付時に検査結果の通知を希望した献血者にお知らせしています。
同様に感染症検査のうち梅毒、HBV、HCV、HEV、HTLV-1の検査結果が陽性の場合の通知を希望者に行っています。

HLA関連検査

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日本赤十字社では、血小板製剤の輸血によりHLA抗体を産生し、通常の血小板製剤では輸血効果が得られない患者用にHLA型が適合する血小板製剤を供給しています。

この製剤は、患者のHLA抗体に反応しないHLA抗原型の献血血液から製造しますが、血小板製剤の有効期間は採血後4日間であり、赤血球製剤のようにストックすることが出来ません。

患者が必要とする時に、有効な血小板製剤を供給するため、HLA適合血小板の登録に協力いただける献血者のHLA型タイピング等のHLA関連検査をあらかじめ行い、ドナープールの体制を構築しています。

HLA型が適合する献血者の原料血液から製造した血小板製剤は、患者血液との交差適合試験を行ったうえで供給しています。