発熱性非溶血性副作用

輸血用血液製剤には、血球や血漿蛋白の他に、様々な抗体、抗原、サイトカイン、アレルゲンなどが含まれている可能性があります。これらの物質が患者に作用して、輸血中または輸血後数時間以内に発熱(体温38℃以上または輸血前より1℃以上の体温上昇)を認めた場合、発熱性非溶血性副作用(Febrile non-hemolytic transfusion reaction:FNHTR)と呼び、悪寒、戦慄、頭痛、吐き気等を伴う場合もあります。

発熱を伴う輸血副作用として、急性溶血性副作用、細菌感染等も考えられますので、FNHTRとの鑑別診断が重要となります。

日本赤十字社に2023年に報告された309件の発熱副作用の発現時間を図1に示します。

図1:発熱副作用 発現時間(2023年)

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