「支援する側」にも支援の手を~日本赤十字社とネスレ日本、協定締結

「災害時における支援協力に関する協定」

協定を締結したネスレ日本・高岡(左)と日本赤
十字社・近衞(右)

日本赤十字社(本社:東京都港区、社長:近衞 忠煇、以下「日赤」)とネスレ日本株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長 兼 CEO:高岡 浩三、以下「ネスレ」)は、2017年10月24日(火)に「災害時における支援協力に関する協定」を締結しました。
 被災地においては、支援を行う側も絶え間ないストレスや緊張状態にさらされます。「支援者への支援」という今まで見過ごされがちだった日赤の地道な取り組みに深く賛同したネスレは、大規模災害時における「支援者に対するこころのケア」の現場へ積極的な物資提供を行い、日赤の社会課題の解決に向けた取り組みを支援してまいります。

※日赤では阪神淡路大震災を契機に「こころのケア」活動への新たな取組みを行い、平成12年の有珠山噴火災害救護から、被災地での心理的ストレスや精神的ダメージをケアする「こころのケア」を、災害救護活動の重要な柱の一つと位置づけて活動しています。

1.ネスレ日本からの提供物資(例)

ネスレ日本からの提供物資(例)
  • コーヒーマシン、コーヒー、クリーマー
  • ペットボトルコーヒー
  • チョコレート製品
  • 栄養補助食品

2.提供物資の活用内容

提供物資の活用内容

町役場職員を対象に行われた「こころのケア」
(熊本地震)

  • 「支援者に対するこころのケア」ブース(仮)における提供
  • 日赤災害救護実施対策本部要員や救護班員などが使用

3.活用場所

  • 日赤本社及び支部などの災害救護実施対策本部
  • 救護所など

【参考】「援助者のストレス」について

災害時には、被災者はもちろんのこと、被災者の救護にあたる援助者にも「こころのケア」が必要です。
被災者の救護にあたる援助者は災害現場の悲惨な状況を目撃し、被災者に接することで直接的・間接的にストレスを受けます。また、援助者にはそれぞれの任務がありますが、災害時の困難な状況下でそれを達成することは容易ではありません。任務の遂行にともなうストレスも援助者に大きな影響を与えます。なお、救助活動を展開する現地の行政や赤十字支部や赤十字病院などの職員は、援助者自身やその家族が被災者であることがあります。
災害によって被災者がストレスを受けることはよく知られていますが、被災者だけでなく、援助者もストレスを受けます。それゆえ、援助者は「隠れた被災者」と呼ばれます。

【参考】「こころのケア」について

災害に見舞われた被災者は、心に大きな影響を受け、一見異常に見える言動を示すことがあります。災害は、被災者に大きなストレスを与えます。ストレスの程度は災害状況の深刻さや被災者自身の性格特性によって異なり、その反応は、身体、思考、感情、行動などに現れてきます。持病が悪化したり、まとまった考え方が出来なくなったり、イライラして落ち着かなくなったり、また周囲の人とうまくいかなくなることもあります。
「こころのケア」は特別なことではありません。援助者が行う被災者との対話や関係作り、そして環境を整える働きかけの中にケア活動があります。