【青少年赤十字事業 創設100周年】 100周年事業のオープニングイベントを開催
~全国の中・高校生がオンラインで「つながり」「考える」~
日本赤十字社の青少年赤十字事業(Junior Red Cross、以下JRC)は、今年5月5日に創設100周年を迎えました。これを記念して、「未来のあなたへ、やさしさを。」をテーマに、全国のJRC加盟校や日赤の都道府県支部において100周年事業の活動を実施します。
そのオープニングイベントを5月5日にオンラインで開催。日ごろJRC活動を行う高校生、指導者の先生らが登壇し、参加した全国の中・高校生やその指導者450名とともに、JRCの「過去・現在・未来」について、100年の歴史を振り返りながら、未来に向けて今できることを一緒に考えました。
登壇者の岡田結さん(学校法人身延山学園身延山高等学校3年生)
■イベントハイライト
▼JRC指導者が語る青少年赤十字の今。「防災」と「人道」
JRC指導者 松本光司先生
(福島県青少年赤十字賛助奉仕団)
いのちの大切さや災害への備えなど「防災」について、松本先生が解説。東日本大震災での経験をもとに、「災害は避けられない。まずは災害に興味を持ち、他の地域で災害が起きたときに、家族や友達と話して自分ごととして受けとめよう。災害への備えを広める活動、つなげる活動にも取り組んでほしい」と語りました。
JRC指導者 根本裕之先生
(学校法人松韻学園福島高等学校教諭)
また、「人道」について解説した根本先生は、「ウクライナの人道危機により”人道”という言葉を耳にする機会が増えたと思う。世界に、日本に、身の回りに色々な人がいて、色々なことが起きていること、苦しんでいる人がいることに気づこう。そして相手の立場に立って考える。自分が何をしようか、ではなく、相手が何をしてほしいのかに気づき、その中で自分ができることをしよう。」とコメントしました。
▼特別ゲストが語る未来・夢トーク
赤十字飛行隊メンバー室屋義秀さん
パイロットになりたいという子どもの頃からの夢を叶え、エアレースのワールドチャンピオンとして活躍する室屋さんが、インタビュー映像を通じて、夢や社会貢献活動について語りました。
「夢とは自分の好きなことをやること。まずは自分自身のことを知り、好きなことを追いかけてほしい。コロナ禍で学校生活も苦難が多いが、時代の大きな変化のチャンスの中にもいると思う。みなさんが今、未来に向けて力を蓄えていることは、社会に出る瞬間にきっと花開く。」とエールを送りました。
▼トークセッション 青少年赤十字のこれから
左:JRC指導者 松尾一志先生(佐賀県立神埼高等学校教諭)
右:岡田結さん
松尾先生とJRCメンバーの岡田さんが、日ごろの活動のことや将来の夢について対談しました。日ごろ、フードドライブや募金活動などを行う岡田さんに、活動で困っていることやこれからやってみたい活動について松尾先生がアドバイス。また、岡田さんが、将来は、栄養士の仕事を通じて人々の健康を支えたいという夢を語りました。
▼参加者からの声
本イベントには、全国各地の中・高校生がオンラインで参加しました。日ごろ、高校でJRC活動を行っている鹿野智裕さん(長崎県)、平田真友さん(京都府)、また、今回初めて赤十字のJRCイベントに参加した中学生 佐々木春姫さん(埼玉県)にイベントの感想を伺いました。
「日ごろ献血や募金活動を行っている。JRCのことについて理解を深めるために参加した。いつ起こるかわからない地震に対してハザードマップや避難経路の確認など、自分だけでなく家族や周りの人にも伝えて、大切な人の命を守れるようになりたい」(鹿野さん)
「”自分が何をしたいか、ではなく、相手が何をしてほしいか”の話が印象的だった。学校でJRCはどんなことをしているのか、よく質問を受ける。校内の掲示板で、地震が起きた時にどう行動するかなどを伝えたり、JRCの活動をみんなに広めていきたい」(平田さん)
「駅前で献血を見かけたり赤十字は身近な存在だったが、日本だけでなく海外でも活躍していることに驚いた。大人になったらぜひボランティア活動に参加してみたい。JRCの「気づき・考え・実行する」を、身の回りのことから意識して生活したい」(佐々木さん)
■オープニングイベント プログラム概要
第1部 赤十字と青少年赤十字
- 青少年赤十字の誕生、過去と現在-変わったものと変わらないもの
第2部 指導者が語る青少年赤十字の今。「防災」と「人道」
- 東日本大震災から学んだこと、未来の被災者をなくすために“今”できること(JRC指導者 松本光司先生)
- やさしさや思いやり ~人道の輪を広げるために~ (JRC指導者 根本裕之先生)
第3部 青少年赤十字のこれから
- 特別ゲストが語る未来・夢トーク ~夢を掴むまでの道のり~ (赤十字飛行隊 室屋義秀さん)
- 青少年赤十字のこれから (JRC指導者 松尾一志先生、JRCメンバー 岡田結さん)
第4部 疑問・質問解決コーナー
- 参加者からの疑問・質問を、登壇メンバーが解決
■JRC創設100周年事業 今後の活動
100周年事業は、「つなぐ」「つづける」「つくる」を切り口に、13の活動メニューがあります。1年を通して、全国各地でイベントが開催されます。
「つなぐ」活動では、6月1日から「ダンスプロジェクト~踊りながらみんなとつながろう~」を開始します。GLAYの「YOUR SONG feat. MISIA」(*)に合わせて、全国・海外の青少年赤十字メンバーが仲間たちとダンスを踊りSNS等に掲載し映像で「つながり」ます。
*スペシャルオリンピックス日本の公式応援ソング
○各地の主なイベント予定
実施支部 | 実施時期 | 実施内容 |
滋賀県支部 | 令和4年7月29日 | 「青少年赤十字創設100周年記念 滋賀県青少年赤十字大会」 100年の歴史の振り返りと今後の活動の活性化、加盟校の繋がりを増強できる機会とする。 |
茨城県支部 | 令和4年11月2日 | 「JRC創設100周年記念茨城県大会」 県内のJRCメンバー、指導者等を招集して記念大会を開催し、加盟校、指導者、作品コンクール優秀者等の表彰を行う。 |
東京都支部 | 令和4年12月(予定) | 「JRC100周年記念オンラインミーティング」 JRCメンバーが集い、100周年期間の各校・メンバーの活動を共有し、未来につなげる場とする。 |
岐阜県支部 | 令和4年6月~11月 | 「青少年赤十字文庫の贈呈」 JRC加盟の小・中・義務教育・特別支援学校に1校あたり10万円以内の図書を寄付し、学校に青少年赤十字文庫コーナーを設置する。 |
広島県支部 | 令和4年9月24日(ギネス挑戦日) | 「100万羽おりづるプロジェクト」 加盟校メンバーで、100万羽のおりづるを制作し、ギネス記録に挑戦。おりづるから再生紙ノートを制作し、途上国の子どもに届ける。 |
佐賀県支部 | 計5回 6月19日 9月11日 10月16日 11月20日 12月11日 |
「博愛みらいバス」 佐賀県内5か所からバスで、今年リニューアルした「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」と佐賀県支部を訪問する見学ツアーを実施する。 |
■青少年赤十字(JRC)とは
子どもたちの「気づき」をきっかけに
第一次世界大戦のとき、カナダ、アメリカ、オーストラリア、イタリアの学校の生徒と先生は、戦争で苦しむヨーロッパの人々をなぐさめ励ますため、手紙や包帯、被服、慰問品などを赤十字を通じて届けました。これがきっかけとなり、JRCが誕生しました。
人道的な価値観を世界の子どもたちへ
赤十字の精神に基づき、世界の平和と人類の福祉に貢献できる人間に成長してほしいという願いから、赤十字社連盟(現在の国際赤十字・赤新月社連盟)はJRCを創設することを決めました。日本では、1922年5月5日に、滋賀県の守山尋常高等小学校(現在の守山市立守山小学校)で「少年赤十字」として誕生しました。
赤十字の理念を通じて人を思いやる豊かな心を持ち、自主的に行動できる子どもたちを育てることを目的としています。いのちと健康を大切にすること、地域社会や世界のために奉仕すること、世界の人々との親善を深めることが3つの目標として掲げられており、ご理解いただいた先生により、学校教育の中で展開されています。全国の幼稚園、保育所、小学校、中学校、高等学校、及び特別支援学校が対象で、現在14,500校、345万人を超えるメンバーが活動しています。
このリリースについてのお問い合わせ先
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