新ガイドラインに基づいた講習が2016年7月からスタート!
日本赤十字社(以下、日赤)が構成メンバーである日本蘇生協議会が昨年10月、心停止の判断に迷っても直ちに心肺蘇生とAED(自動体外式除細動器)使用を開始することなどを重点とする「蘇生ガイドライン2015」を発表。それに伴い、救急法基礎講習と幼児安全法の教本・講義内容の改訂、講師研修などが進められています。
新しいガイドラインに対応した講習は今年7月から全国一斉に始まります。
新講習ではケーススタディーの導入も
蘇生ガイドライン2015は、国際蘇生連絡委員会(ILCOR)が公表した「心肺蘇生に関わる科学的根拠と治療勧告コンセンサンス(CoSTR)」に沿ったものです。
一次救命処置をいち早く始められるよう、迷った際にも直ちに心肺蘇生を行うことを強調しているほか、入浴関連死や運動中の心停止、小児の事故防止などの予防についても重点が置かれています。
また、良質な心肺蘇生を行うため、胸骨圧迫の深さとテンポを適切に保つことの重要性が強調されています。
新たな救急法基礎講習では、実際の現場を想定しながら受講するためのケーススタディーや、講習前のインターネット学習の推奨など、さまざまな工夫が取り入れられています。
全国の指導員への伝達に向け、講師研修会を開催
日赤は今回の改定を受けて3月14~16日、救急法等講師合同研修会を本社(東京都港区)で開催し、全国の講師194人が参加しました。
研修会では救急法基礎講習と幼児安全法教本の改訂項目などを周知。
ガイドライン改定で一次救命処置の編集を担当した帝京大学医学部救急医学講座の坂本哲也主任教授(赤十字救急法研究委員会委員長)が講演し、内容への理解を深めました。
新講習は7月からのスタート。ご期待ください!
日赤は7月の新講習スタートに向けて、各種教材の改訂や全国の指導員への伝達などの準備を進めています。