誤飲事故
飲んだものの種類により、手当の方法が違うので、いずれの場合も、119番、医療機関あるいは中毒110番などに連絡し、指示を受けることが基本となります。
意識がないときや、呼吸が苦しそうなときは、一次救命処置の手順により手当を行い、救急車で直ちに医療機関へ搬送します。
たばこの誤飲事故
子どもの誤飲事故の中で一番多い事故です。症状は、吐き気、嘔吐から始まり、顔色が蒼白になったり、呼吸・脈拍が速くなることがあります。大量に吸収された場合には、意識障害やけいれんが起こり、呼吸が停止する可能性もありますがほとんどの場合吸収される前に吐き出します。
子どもでは、たばこ1本に含まれるニコチンが致死量となります。
手当
- 大急ぎで口の中に残っているたばこをぬぐいとります。
- 水に浸っていたたばこを食べたり、その液を飲んだ場合には、体を保温し、急いで医療機関へ連れていきます。
家庭用医薬品の誤飲事故
風邪薬、睡眠薬、ビタミン剤など最近の薬は甘くておいしいため、たくさん食べるという事故が多くあります。
手当
- 口の中を調べ、薬が残っていたら指を口の中に入れてぬぐいとります。
- 水や牛乳を飲ませます。
- 薬の空きびん、散らばっている薬、吐いたものは医師に見せます。
石けんの誤飲事故
浴用、化粧用、薬用、洗濯用など色々ありますが、毒性は低いです。
手当
- 一口程度なら、水や牛乳を飲ませ、しばらく様子を見ます。吐き気、嘔吐、のどの痛み、口の中のただれなどの症状がでれば、医療機関へ連れていきます。
- 大量に食べた場合は、医療機関へ連れていきます。
マニキュア液・マニキュア除光液の誤飲事故
身近な化粧品の中では最も毒性が高く、少量でも飲んだり、誤って気管に入れると危険です。また揮発性のものを吸入しても中毒を起こすことがあります。
手当
- 吐かせてはいけません。
- 少量(マニキュア液3ml、除光液1ml)でも飲んだ場合は急いで医療機関へ連れていきます。
- 揮発性のものを吸入した場合は、新鮮な空気を吸わせて様子をみます。
クリームの誤飲事故
化粧品の中では子どもに多い誤飲事故です。通常子どもが誤って食べるくらいの量ではほとんど問題はないですが、食べた量が多いときは、油分成分による症状(吐き気、嘔吐、下痢など)が出ることがあります。
手当
- 水分をとらせて様子をみます。
- 大量に食べた場合や、症状がみられる場合は医療機関へ連れていきます。
ボタン電池の誤飲事故
飲み込んだ電池は、食道につまらなければほとんどの場合、便とともに排出されます。しかし、一ヵ所に長時間留まると、放電や液漏れで、消化管に潰瘍ができたり穴が開く危険があります。
手当
- 電池の種類を確かめます。
- 飲んだり鼻や耳に入れた場合、急いで医療機関へ連れていきます。受診時に電池の種類を伝え、同じ種類の電池があれば持参します。
- 飲んだことが確かでなくても、確認のため医療機関へ連れていきます。
ナフタリン・しょうのうの誤飲事故
防虫剤は成分によって毒性や症状が全く異なるので、外袋などで確認します。ナフタリンやしょうのうは毒性が高い物質です。
手当
- なめただけなら、水を飲ませて様子をみます。
- かけら程度でも食べている場合は急いで医療機関へ連れていきます。
※防虫剤、石油製品(灯油、ガソリン、シンナー、ベンジンなど)の場合は牛乳を飲ませてはいけません。(牛乳を飲むと毒物の体への吸収量が多くなります。)
水でふくらむビーズ(高吸水性樹脂製品)
玩具や植物栽培用ビーズやビーズタイプの芳香消臭剤があります。大きさや形は製品によって様々ですが、色はカラフルで見た目はキャンディやグミのようです。高吸水性樹脂製品を誤って飲み込んで放置されると、体内で膨らみ、嘔吐を繰り返し腸閉塞を引き起こすなど重症となる可能性があります。
手当
- 症状がある場合はすぐに医療機関を受診します(本品とパッケージを持参)
- 症状がなくても、大量に摂取したり、大きくふくらむ製品を摂取した場合は、すぐに医療機関へ連れていきます。