高齢者の方に憩いの場を提供して13年 君津市赤十字奉仕団
千葉県支部
千葉県君津市赤十字奉仕団(久保百合子委員長)は、高齢者の方が気軽に集えるサロン「里の家」を13年前から運営しています。
デイサービスの機能も持つ「里の家」では、奉仕団員が用意した昼食を一緒に食べたり、詩吟や歌、折り紙などのレクリエーションを実施。参加者からは「ここに来るのが一番の楽しみ」「子どものころに戻ったような気がします」など喜びの声が寄せられています。
同奉仕団が里の家を始めたのは平成13年。引きこもりがちなご高齢者に憩いの場を提供し、気分転換や交流を図ってもらうのが目的でした。「里の家」という名前も「お里に帰ったような安らぎを」と願ってつけられたものです。
活動は市内2カ所の公民館で月2回(第2、第4火曜日)で、朝9時30分から午後3時まで、昼食を挟みながら、参加された皆さんに楽しい一日を提供しています。
渡辺きぬさん(96歳)は初めて参加した13年前のことをいまも覚えているといいます。「『次回は口紅を持ってきてね』って言われたの。そうしたら次のときにお化粧をしてくださって。お化粧なんてずっとしてなかったから驚いたし、楽しかったわ」。
奉仕団員が一人ひとりの高齢者に気を配ってくれるので、楽しく会話ができるのも里の家ならではだといいます。昨年から参加している長谷川静江さん(89歳)は「里の家のボランティアさんはとても穏やか。この雰囲気はボランティアさんが運営しているからこそだと思います」と魅力を語ります。
里の家の活動が長続きしている秘訣は、ボランティアとして参加する奉仕団員の支えがあること。10年にわたり活動を続けている鎌滝洋子さん(61歳)は「高齢者の方に農作業のことなどを教えてもらうことも多く、さまざまな人と知り合いになれて、人の輪が広がります」。
渡辺考子さん(70歳)は「前回の活動でお会いした参加者が来ていないときは寂しさを感じます。体調を崩されたり、施設に入ってしまったり...。それだけに参加者と一緒に過ごす時間はとても大切だと感じています」と活動への思いを語ります。