シリーズ「モデル奉仕団」 観音寺市赤十字奉仕団

 「モデル奉仕団」とは、社会情勢の変化に即応して、より一層赤十字奉仕団活動の充実強化が期待されること受けて、昭和58年に実施要領を定めたものです。以来多くの奉仕団がモデル奉仕団として指定を受け、指定期間中、重点的に推進しようとする活動を行ってきました。例えば、令和2年度は、15支部52奉仕団が指定を受け、活動を行っています。
 その中からいくつかをご紹介します。

観音寺市赤十字奉仕団

 観音寺市は、香川県の西部に位置し、瀬戸内海のひうち灘や徳島県・愛媛県に隣接しており、四国のほぼ中心にあります。
 勇壮な「ちょうさ祭り」や銭形砂絵、天空の鳥居(高屋神社)、雲辺寺山頂の「天空のブランコ」などが観光として有名です。また、産業としては農業を中心に漁業・工業・商業の調和のとれた市です。赤十字の理念のもと、18奉仕団が各地区で活動しています。

 「モデル奉仕団」として指定を受けた1年目の平成30年は、「非常食づくり」などを開催しました。毎年、日赤講習会は行っていたので、活動に対しての問題はありませんでした。しかし、毎年会員が減少しており、婦人会がない地域の人たちに日赤活動や防災に対する意識を持ってもらうことを、どのように周知していくかが課題でした。

画像 平成31年3月3日(日)日赤講習会「非常食づくり」

 2年目は、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、残念ながら、実施を予定していた様々な行事を中止しました。

 3年目の令和2年度は、役員で協議を行い、新型コロナウイルス感染拡大予防に留意しながら初めて「赤十字地域防災セミナー」が開催できました。「赤十字地域防災セミナー」は、「炊き出し訓練」、「ドローイングチャレンジ」、「災害ボランティアセンター運営訓練」、「高松地方気象台講演」の4つのセッションで構成されました。

画像 令和3年2月21日(日)赤十字地域防災セミナー 炊き出し訓練

 災害ボランティアセンター運営訓練では、減災の取り組み方などを学びました。実際に台風災害にあった会員が参加していて、必要なものや要望など生の声が聞けたことからも、次に災害が起きたときの参考になると感じました。

画像 災害ボランティアセンター運営訓練とドローイングチャレンジの様子

 ドローイングチャレンジとは、「赤十字防災セミナー」で行うアクティビティのひとつで、参加者全員で息を合わせて図形を描くことを通じて、コミュニケーションの重要性を学ぶものです。5~6人のチームを作り、空ペットボトルにペンを付けたものを各自指一本で支えあい、与えられた課題、例えば〇や干支の絵を描いていきます。みんなで考え、自分の意見を発言しながら描いていくことにより、積極的なコミュニケーションをとって意思決定を図ることを学びました。

 高松地方気象台講演では、災害情報について、正しく理解することの大切さなど、とても分かりやすく説明していただき、勉強になりました。奉仕団にとって、初めて学ぶ内容で学びが多く、約3時間のセミナーをとても楽しく受講できました。

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 令和3年3月は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため行事ができませんでしたが、奉仕団全員に非常食(おにぎり、スープ)とアイラップ、マスクを配布し、災害への備えについて啓発しました。

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 3年間のモデル奉仕団の活動を振り返ると、2年目と最終年度(令和2年度)は、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、大きな活動が行えませんでした。自然災害以外にも何が起こるか分からないことを痛感しました。しかし唯一3年目は、「赤十字地域防災セミナー」が開催できて本当に良かったと思っています。この開催がこれからの活動していくうえで、良いモデルとして繋がっていくのではないかと実感しました。
 団員からも「みんなに会えて活動できて、いっぱい学べて良かった」と声が届きました。

 これからも地域のため、奉仕団のために、皆さんが役に立つ活動を考えていきたいと思います。

 このような状況で活動をして実感したことは、一番の教材は参加者自身であり、活動後の満足は、与えられた多さより、気づきの深さだということです。赤十字の精神で、響き合い行動につながっていけば、みんなが生きやすい安心した地域になるということ。資質向上につながる3年間になりました。

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 観音寺市赤十字奉仕団の取り組みはまだまだ続きます。