【青少年赤十字:教育委員会と連携を推進!】全国の学校現場にアドバイスをする指導主事の先生方に青少年赤十字の魅力を伝える研究会を実施 ~令和3年度青少年赤十字研究会~
青少年赤十字では、赤十字精神や青少年赤十字活動にご理解いただいた先生が指導者となり、学校教育の中で進められています。
学校教育は全国どの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるよう、文部科学省では「学習指導要領」という各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。それらに基づきつつ、学校教育現場にアドバイスを行うのが、全国の教育委員会に所属する「指導主事」と呼ばれる先生方です。
そんな指導主事の先生方に青少年赤十字についてご理解いただき、全国の学校現場で推進していただくことを目的に、日本赤十字社では9月30日(木)に、令和3年度青少年赤十字研究会をオンラインで開催いたしました。
【学習指導要領「生きる力」と青少年赤十字の共通点について解説!「青少年赤十字の現状とこれから】
青少年赤十字と学校教育のつながりとして、青少年赤十字の目的、青少年赤十字と学習指導要領及び青少年赤十字加盟のメリットについて、手島講師から説明いただきました。
手島講師は、現役の愛知県の小学校の校長先生でありながら、過去に教育委員会でのご経験、さらには日本赤十字社の愛知県支部にもご勤務されていらっしゃいました。
手島講師からはいかに学習指導要領と青少年赤十字とにつながりがあるかを解説いただきました。具体例として、子どもたちのどんな力を育成するかという目的の部分について触れました。学習指導要領では、思考力・判断力・表現力の育成を目的としております。一方青少年赤十字の態度目標は「気付き、考え、実行する」であり、ここでまさに目的が合致しています。
他にも共通点は多くあり、よって講師から指導主事の先生方に青少年赤十字を活用し学校現場に導入いただくことは、学習指導要領の目的にも合致しているのだ、と学習指導要領と青少年赤十字の目指す方向が一致していることを強調いただきました。
手島講師から、青少年赤十字において人道的な心を持つ子どもを育成していますが、それは「自分の力を社会のために役立てる子」の育成であると説明がありました。よって、青少年赤十字は何か特別なことではなく、日頃の学校生活を青少年赤十字のフィルターを通して評価することが青少年赤十字の活動となることから、より良い学校運営のために、ぜひ青少年赤十字を活用してほしいとお話いただきました。
青少年赤十字の国際理解・親善活動~SDGsとの関わりから~
青少年赤十字の実践目標である「国際理解・親善」がいかに特徴的で学校教育に有効かということをシェルパ講師に講演いただきました。具体的には青少年赤十字海外支援事業の支援地であるネパール、バヌアツの2カ国に加盟校の生徒を派遣するスタディー・ツアーや、アジア大洋州中心に赤十字の姉妹社から約40名と日本メンバーが交流し、議論を深める青少年赤十字国際交流集会という行事を紹介しました。前者の活動は子どもたちが集めた募金により改善されたネパールの衛生環境を現地で確認することで、日本での生活が当たり前でないことに気づき、自分の目で見たものは何か考え、募金等の行動へ繋がることを案内しました。国際交流事業については、国内外のメンバーが災害、紛争、貧困、衛生、教育等のさまざまな問題に関して解決策を深る経験を通じて、将来を担う人材の育成につながると説明しました。
後半では、昨年のアンケートで国連が定める世界の課題解決への共通目標であるSustainable Development Goals(SDGs)と青少年赤十字がどう関連するか知りたいという声が複数寄せられたため、今年度新たに講演内容として取り入れました。SDGsは高校の社会科の教科書でも取り上げられており、近年注目が高まっています。シェルパ講師は、青少年赤十字活動とSDGsをからめてそれぞれの目標と関連したワークショップを昨年複数企画しました。最初は参加するだけだった生徒たちが自主的に企画・運営を行い、大きいものでは100名以上を巻き込み成功させた事例を紹介いただきました。これはまさに青少年赤十字の「気づき・考え・実行する」を体現した良い事例で、青少年赤十字の国際理解・親善活動が、生徒たちにどのように良い影響があるのか魅力を伝えていただきました。
さらなる青少年赤十字の普及に向けて
青少年赤十字の目指す目標や考え方、具体的な活動等について学んでいただいた、指導主事の先生方からは、
「青少年赤十字の目標と学習指導要領に示されている育成を目指す資質・能力が大きく重なっているところがよくわかった」
「子供たちの写真などを見せていただきながら、実践報告をお聞きできたので、学校の取り組みがよくわかりました。加盟校の子供たちが、生き生きと活動をしている様子をぜひ今後の研修でも触れていきたいと思います」
という感想が寄せられました。
この講習会に参加した指導主事の先生方は今後、学んだことをふまえ、全国各地で青少年赤十字を推進にお力添えいただくことが期待されます。今後にぜひご注目ください。
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