あらためて知ろう!「命を救う AED」 一般市民による使用が認可されて20年

あらゆる場所に設置されているAED
しかし、その使用率はわずか4%


日本では、突然心停止となる人の数が1年間で約9. 1万人に上り、1日に約200人、7分間に1人が亡くなっています。心停止から命を救うために、AED(自動体外式除細動器)による迅速な電気ショックが不可欠です。ただ、AEDは街のさまざまな場所に設置されていますが、心停止で人が倒れた場合に、その場に居合わせた人が実際にAEDを使用する割合はわずか4%に過ぎません。
 その現状を変えていくために、日赤では、各地での講習のほか、WEBサイトや動画サイトを通じて心肺蘇生法やAEDの使い方を発信しています。

●「動画で見る一次救命処置」はコチラ ↓
 

●赤十字救急法講習の内容からAEDの使用方法についてはコチラ(「AEDを用いた電気ショック


●さまざまな救急法のご案内はコチラ(「講習の内容について」)

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また、日赤も構成メンバーである日本AED財団のサイトでは、AEDを用いた救命処置を学び、救命サポーターとして登録ができるアプリ「team ASUKA」などが配信されています。一般市民のAED使用が認可されてから20年を迎える今年、いざというときに備えたAEDの知識を、多くの方に見直していただきたいです。

●アプリ「team ASUKA」の情報はコチラ(日本AED財団のサイト「減らせ突然死プロジェクト」)

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AED人命救助ストーリー

東京消防庁の渋谷消防署で感謝状を贈呈された山橋さん(中央)

迷ったらAED! 
その瞬間の“選択”が命を救う


昨年9月、日赤埼玉県支部職員の山橋嘉子さんは、休日にバレーボールの国際試合を観戦に行き、会場で心肺蘇生が必要な状況に遭遇しました。試合前、飲み物を買いに会場ロビーに出ると、人だかりができており、近づいてみると、女性が倒れ、旦那さんらしき男性が必死に呼びかけています。傍らにはAEDのバッグが用意されていましたが、女性は弱く呼吸しているように見え、周囲の人はAEDの使用をためらっていました。

「私は思わず駆け寄り、AEDの操作を開始しました。女性はあえぐような弱い呼吸をして胸郭が動いていない―—これはAEDの講習で学ぶことですが、心停止直後の“死戦期呼吸”で、通常の呼吸とは異なるものです。もし電気ショックが必要でなければ、AEDが診断して電気ショックは起きないので、その機能を信頼し、AEDの音声案内に従って1秒でも早く使うべきと思いました」(山橋さん)

山橋さんが動き出すと、次々と手伝う人が現れました。女性の服をめくってAEDのパッドを装着する際には女性たちが周りを取り囲んで壁を作り、プライバシーを保護。それぞれができることを協力し合い、救急車が到着するまで連携して救命活動を行いました。
女性は一命を取り留めて回復。山橋さんは東京消防庁から感謝状を授与されました。

バレーボール国際試合が開催された代々木第一体育館の会場の様子