食物アレルギーの方への避難所支援について勉強会・炊き出し訓練を実施しました
令和3年7月11日(日)、8月1日(日)、10月3日(日)の3日にわたり、空みずきの会とアレルギーっ子家族の会、日赤の3社が共同で『災害発生時に食物アレルギーに配慮した炊き出し支援を考える勉強会』と『アレルギー対応炊き出し訓練』を開催し、アレルギーのある子どもとその家族、給食調理員、市民活動センターや行政の職員、日赤ボランティア(地域奉仕団・学生奉仕団)等が参加しました。
第1回目 7月11日(日) 勉強会・座談会
第1回目は、県社会福祉会館で実施し、58人の参加者に対して勉強会と座談会を行いました。
前半は、空みずきの会代表から「避難所の現状と課題について」、アレルギークリニックの先生から「子どものアレルギーについて」、アレルギーっ子家族の会代表から「アレルギーと子どもと防災について」の講義を行いました。
後半は、アレルギーへの理解を深めるための座談会として、アレルギーを持つ高校生2名がこれまでの体験談を発表し、参加者からの質問に答えるなど、情報交換を行いました。
学生奉仕団は、運営スタッフとして、事前準備や受付、託児ボランティアなどを行いました。
第2回目 8月1日(日) ワークショップ
第2回目も、県社会福祉会館で実施し、44人の参加がありました。
まず、日赤職員から「避難所で行う炊き出しについて」の講義を行い、その後、グループに分かれて「炊き出しメニューから配膳までを考える」ワークショップを行いました。
講義では、赤十字ボランティアの避難所支援や炊き出しについて、昨年度発生した熊本県での豪雨災害時の活動事例も交えながらお話ししました。
ワークショップでは、指定された食材の中から何種類か選択して、アレルギーに対応したメニューを考え、調理準備~調理~配膳までの作業行程表を作成し、グループごとに発表しました。
アレルギーのある子どものグループでは、「食材や調味料からアレルギーの元となるものを除外するため、全員のアレルギー物質を確認し、安全に食べられるように考えたので、メニューを作るのに苦労した」という意見がありました。
また、赤十字ボランティア(地域奉仕団)グループでは、これまでの経験や知恵などから、一度に手軽に作れてアレルギー対応も可能なカレーを作る案が出てきました。
全体の感想として「避難所という過酷な環境のなかで、アレルギーにまで配慮した食事を提供する大変さを実感した」「原材料表示をどのように表示したら見やすくなるかなど気を付ける点を教えてもらえてよかった」「子どもたちが自分のアレルギーについて、抵抗なく周囲に話せるようになっていくといいですね」などの言葉がありました。
第3回目 10月3日(日) アレルギー対応炊き出し訓練
第3回目は、ふるさと伝承センターで「アレルギー対応炊き出し訓練」を39人の参加者とともに行いました。参加された方々は、前回・前々回の勉強会やワークショップで学んだ知識を生かしながら、アレルギーに対応した豚丼、みそ汁、水ようかんを作りました。お米は、移動炊飯器(炊き出し釜)とハイゼックス(非常用炊き出し袋)を使用して炊きあげました。
原材料表示では、使った食材等をどのように知らせるかをグループ内で話し合いながら、現物を展示したり、紙に書きあげて掲示するなど、アレルギーの方にも安心して食べてもらえるように工夫しました。
地域奉仕団の藤家委員長は、「これまでアレルギーについて考えることがなかった。アレルギーは、最近増えてきているので、炊き出しメニューの中にもアレルギー対応食を入れるべきだと思った」と述べられました。