バングラデシュ南部避難民支援:ご支援の使途
赤十字では、引続き緊急支援を行っています。ここでは皆様からのご寄付の使途について説明します。
※国際赤十字では、政治的・民族的背景および避難されている方々の多様性に配慮し、『ロヒンギャ』という表現を使用しないこととしています。
赤十字はバングラデシュでもミャンマーでも
赤十字は、避難先であるバングラデシュでの支援だけでなく、もともと避難民の方々が住んでいたミャンマーのラカイン州においても、今年8月の混乱の前から支援を続けています。
皆さまから寄せられたご寄付は、バングラデシュでもミャンマーでも支援を必要としている方々に届けられているのです。
皆さまから頂いたご支援は・・・
日赤にお寄せ頂いたバングラデシュ南部避難民支援救援金は、以下の方法で支援活動に活かされます。
① 日赤ERU医療チームの派遣:患者さんは1万人を超える
日赤の基礎保健緊急対応ユニット(以下、ERUという)医療チームは、9月27日から巡回診療を開始しており、これまでに1万人以上を診察しました。
(ERUとは?日赤ウェブサイトをご参考ください)http://www.jrc.or.jp/international/about/saigai/
避難民キャンプは未だに拡大しています。日赤医療チームは、巡回診療2班が6カ所を回っており、2カ月間で診察した患者さんは1万人を越えました。現場を回る時は、避難民キャンプ内でまだ医療ニーズに対応出来ていないエリアがないか、常に意識しています。
また、こころのケア活動では、これまでの子供たちのためのチャイルド・フレンドリー・スペースでの活動に加えて、大人を対象にした活動やキャンプ内の家庭訪問も行い、医療支援が必要な場合は日赤チームにつなぐなどしています。
② 国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟という)の支援計画への協力
連盟は、昨年12月から今回の混乱に対する支援活動を開始していますが、深刻さが増す事態を考慮して、本年3月に計画した支援計画を10月に拡大。20万人を対象とした医療、こころのケア、保護、シェルター、救援物資、安全な水と衛生、食糧、生計支援を柱とした計画に従って支援活動を実施しています。
日赤は、この連盟の一員であり、①の日赤ERU医療チームの派遣も、実はこの支援計画の一部を担っているものです。日赤は連盟の計画を資金面でも支援し、この活動を後押ししています。
これまでの支援(2017年11月25日現在) |
安全な飲料水 13.7万リットル |
医療支援で診察した患者数 25,392人 |
避難生活用テント 34,012世帯 |
提供した食糧 884,064キロ |
支援を受取った人数 433,775人 |
③ 赤十字国際委員会(以下、ICRCという)の支援計画への協力
ICRCは、ミャンマーのラカイン州で現在も支援活動を展開している数少ない支援団体です。現在の計画は2017年末までに18万人を対象にしています。日本赤十字社に寄せられた支援は、このICRCがミャンマー赤十字社とともに提供している支援にも使われています。
ラカイン州でのこれまでの支援(2017年11月17日現在) |
巡回診療、15ヵ所の保健施設への支援 |
安全な飲料水 35万リットル |
食糧支援 11万9千人分 |
物資支援(衛生セット、蚊帳、毛布、ビニールシート、経口補水塩、 |
生計支援 12,130人分 |
衛生活動 8,160人分 |
離散した家族の再会支援(電話による連絡がついたケース) 6,000件以上 |
仮設診療所建設中!
現在、日赤の支援で仮設診療所を建設しています。この診療所は、通常の診療のほか、コレラなど感染症の発生に対応できる機能を備えています。避難民キャンプの生活環境は劣悪で、いつ起きてもおかしくない感染症の大規模な発生に備えた取り組みです。
仮設診療所での診療についての詳細は、次号やツイッターなどでもお届けいたします。引続き、フォローをお願いいたします。
いつも赤十字の活動に関心をお持ち下さり、ありがとうございます。
未曾有の緊急事態は未だ続いています。日本赤十字社はこの膨大なニーズに応えるため、来年3月末まで医療チームを派遣し、最前線で避難民の支援を続けます。
皆様の温かいご支援をお願いします。