インドネシア・スラウェシ地震から1年~現在も続く復興への道のり~
2018年9月28日、インドネシア、スラウェシ島中部を震源とするマグニチュード7.5の地震が発生。2,830人が亡くなり、17万人以上が避難を強いられました。経済損失は、1,700億円にものぼると言われています(2019年1月インドネシア政府発表)。
スラウェシ地震からまもなく1年が経過します。現在もスラウェシ島では170以上の機関が、復興に向け、特に家屋の建設、経済復興、飲料水や衛生環境の整備などに取り組んでいます。
日本赤十字社の活動
日赤は、発災翌日の2018年9月29日から連絡調整員をインドネシアに派遣、その後、日赤の医師・看護師を医療保健アドバイザーとして現地に派遣し、現地の医療に貢献しました。また、緊急救援として6,000万円の資金援助とおよそ6,300万円分の物資支援(毛布、雨風をしのぐためのブルーシート、テント)を国際赤十字・赤新月社連盟を通じて実施しました。
現在は、インドネシア赤十字社と協働し、保健分野の活動、特に震源地に近いトンペのクリニックの支援やリハビリ支援施設の建設、蚊帳の配付等を行っております。ジャカルタに拠点を置く日赤現地スタッフも、インドネシア赤との調整等、活動をサポートしています。
日赤現地スタッフのヤナさん、アワルディーンさんは、「インドネシアの被災者は日本の皆様のご寄付に深く感謝しています。スラウェシの特にパル、ドンガラ、シギのコミュニティの人々に皆様の思いは直接届いています。日赤からの支援のおかげで、医療や必要物資を人々に届けることができました。皆さまに深くお礼を申し上げます。」と話します。
保健分野
地域住民参加型のコミュニティに根差した病気の予防、健康促進活動やこころのケアなどを中心に実施しています。ペトボにある避難キャンプでは、多くの家族が生活を続けています。特にこころのケアの研修を受けたボランティアは、様々なコミュニティに出向き、キャンプにおける厳しい生活環境から少しでもリフレッシュし、心を落ち着けて生活できるように、子供たちと一緒に遊ぶプログラムを続けています。
水と衛生分野
赤十字は、18,000以上の家庭に衛生キットを配付したり、安全な水の供給のため給水設備を整備したり、ハード面の支援の実施と並行して、コミュニティの人々に対する衛生啓発活動も行っています。11,655人がこれまでで活動に参加しました。
現在インドネシア赤十字社は、水やごみの処理の仕方の説明ビデオを作成しており、SNSなどを通じてコミュニティの人々に効率的に知識を普及できるような工夫を進めています。
生活支援物資の配布
インドネシア赤十字社は、発災当初から2019年6月末までの間で約50,000の家庭に毛布や防水シート、蚊帳などの生活支援物資を配付しました。
また、パルでは、学校に通う子供たちを対象に、ペンやノートが一式入っている「学校セット」を配布し、子供たちは勉強を続けることができています。
現地からの声
シギ地区に住むサリムさんは、地震により家を失いました。また、地震によって右足を負傷したため、立ったり歩いたりするのに今でも困難が伴います。
この度、赤十字の支援によって新しくできた仮設住宅に移り住むことができました。「よく眠れるようになったよ、ありがとう」と笑顔を見せてくれました。
シスカさんはパルで地震・津波の被害に遭いました。津波で働いていたショッピングモールも流されてしまい、仕事もまだ見つかっていません。
彼女は親戚の住むドンガラ地区に移り、キャンプで日々を過ごしています。そこで赤十字ボランティアに登録しました。
「私は被災者として、同じ被災者の方々の話に耳を傾けることができると思っています。なので、ボランティアになりました」と彼女は話しました。
救援金へのご協力をありがとうございました。
インドネシアのスラウェシ島で被災された方々に対する救援金の受け付けは、2018年11月30日をもって終了いたしました。
受付金額:1億4,049万5,940 円
多くの皆様のご協力、ありがとうございました。まだまだ続く復興支援活動に対しても、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
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