【速報11】ウクライナ危機:国際赤十字に7億円の追加資金援助実施 救援金募集期間を9月末まで延長

ウクライナでの戦闘が激化し2ヵ月が経ちました。これまで、赤十字のウクライナ人道危機対応に対して、多くの皆さまからあたたかなご支援とご協力をお寄せいただき、心より感謝申し上げます。

この度、日本赤十字社は、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国とその他の国々における赤十字の救援活動を支援するため、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)、赤十字国際委員会(ICRC)の緊急救援アピール(資金援助要請)に対して、7億円の追加資金援助を実施しました。連盟とICRCに3.5億円ずつ送金し、各地で赤十字の中立な人道援助活動に使用されます。

今回の追加支援を含め、これまでに日本赤十字社から連盟とICRCへ送金した合計額は282000万円にのぼります。

画像 厳しい状況に苦しむ女性を元気づけるウクライナ赤十字社ボランティア ©ウクライナ赤十字社

国際赤十字・赤新月社連盟は、緊急救援アピールを総額5.5億スイスフラン(約738億円)に拡大

連盟は、現在、ウクライナ、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、モルドバ、ルーマニア、ロシア、ベラルーシにある赤十字社が実施している人道支援活動を支援しています。現在戦闘は激化傾向にあり、本人道危機には中長期的な支援が必要となることから、連盟は緊急救援アピールを総額5.5億スイスフラン(約738億円)に拡大しました。

2年間で360万人を対象に、以下の支援に重点を置いて実施する予定です。

  • 現金給付(生活支援金の給付)
  • 保健医療・給水衛生支援
  • 住まいに関する支援

特に、現金給付(生活支援金の給付)については、既にウクライナ、ポーランド、スロバキア、ロシアなどの国々で始まっています。赤十字がカード会社や銀行機関と協定を結び、現金、バウチャー(引換券)、デビットカード等を避難者に配付する仕組みを整えています。

このような「現金給付」の支援は、避難者個々人のニーズに合わせた支援であり、「自ら選択する」自由があることから避難者の尊厳を守ることができます。また、特にデビットカードなどは、仕組みが整えば繰り返し迅速に支援を追加することが可能です。

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ロシア赤十字社のボランティアは、ロシア南西部のヴォロネジで、ウクライナから避難してきた人々に対して生活物資等が購入できる金券型のバウチャーを配付しました。ほかの地域でも配付をすすめる予定です。

左:バウチャー(引き換え券)を準備するロシア赤十字社ボランティア(C)ロシア赤十字社

スロバキアのブラチスラバでは、スロバキア赤十字社のボランティアが、ウクライナから避難してきた人々に対して生活支援金の登録手続きを行っています。

ボランティアの一人オレクシイさんは、自身もウクライナから避難してきた一人で、今はスロバキアで赤十字ボランティアとして活動しています。

右:避難者に生活支援金の支給手続きを実施するスロバキア赤十字社ボランティア(C)IFRC Marko Kokik

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赤十字は、2年間で200万人以上に現金給付を実施する予定で準備を進めています。

また、ICRCも今月末を目途に緊急救援アピールを改訂する予定です。

ウクライナ人道危機救援金の受け付け期間を延長します

3月2日から受け付けが始まった「ウクライナ人道危機救援金」は、421日時点で約344,500万円を超えました。多くの皆さまからの温かいご支援とご協力に心から感謝を申し上げます。今後とも、迅速に現地の救援活動に生かしてまいります。

この度、ウクライナ各地で戦闘が拡大・激化し、引き続き深刻な人道危機に直面していることから、支援の拡大及び中長期の支援を見据えて、海外救援金の受け付け期間を延長することといたしました。

引き続き、皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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ウクライナ人道危機救援金

受付期間: 2022年3月2日(水)~2022年9月30日(金)

使途: 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、および各国赤十字・赤新月社が実施する、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国とその他の国々における救援活動を支援するために使われます。