【速報】アフガニスタン地震:被災地で全力の救援活動にあたる赤十字
6月22日、アフガニスタン南東部ホースト州を震源としたM5.9の地震により、近隣の州を含む地域で多くの人々が被災しました。報道では死者は1000人を超えるとのことですが未だ多くの人が倒壊家屋の下にいるとの情報もあり、今後も更に増える恐れがあります(6月23日午前時点)。
同国は、地震発生前から長引く紛争、干ばつ、気候変動が影響とみられる災害、経済危機、保健システムの脆弱性などから複合的な人道危機に直面していました。国民の半数に及ぶ人々が人道援助を必要としています(国際赤十字・赤新月社連盟プレスリリース)。今回の地震被害はこの複合的な人道危機に追い打ちをかけるものであり、状況はとても困難です。
さらに、今回の被災地は、同国でも安全の確保が難しい地域のひとつであり、特に外国人の立ち入りや活動も困難と言われています。国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は現地での人道支援活動を続けてきたアフガニスタン赤新月社(イスラム圏の赤十字社)と共に、地震発生直後から医療救護や支援物資の配布などの救援活動を開始。ホースト州スペラ郡では、アフガニスタン赤新月社の保健スタッフ・ボランティアを乗せた救急車が現地に到着し、傷病者の病院搬送支援に全力であたっています。
また、被災したパクティカ州には地震発生前からアフガニスタン赤新月社の巡回診療チームが3チーム入っていましたが、今回の地震発生を受けて直ちに医療救護活動を開始しています。
物資支援では、同社が保有する被災地近隣の救護倉庫から車両15台を用いて、被害が甚大であったホースト及びパクティカの2州に毛布4,000枚、テント800張、調理器具800セット、ビニールシート800枚、マットレス・枕1,500セットなどを輸送しました。
これらの遠隔地で赤十字が支援を迅速に実施できる背景には、アフガニスタン赤新月社の全国ネットワークの存在があります。同社はアフガニスタンの全34州に支部を配置し、3万人の赤十字ボランティアを抱え、日頃から地域との関わりや信頼関係を築いてきました。
被害の全容は未だ不明ですが、連盟は、アフガニスタン赤新月社等とともに現地の被害状況の調査を進めるとともに、災害緊急救援資金による約1億円の援助を決定しました。並行して続いているその他の人道危機(洪水、干ばつ、経済危機)への対処も意識しつつ、国際社会に対し援助の協力を求める方針です。
日本赤十字社は、連盟・アフガニスタン赤新月社と協議し、日本からの支援を準備しています。
(6/27追記)2022年アフガニスタン地震救援金の受付を開始しました。
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