【速報2】スーダン:現地赤新月社が救援活動を継続、国際赤十字は支援を本格化、日赤も資金援助を決定
4月15日、スーダン国内の各地域で戦闘が発生し、現在も医療や水といった基本的なインフラへのアクセスは悪化をたどる一方です。
多くの人びとが、銃撃戦に巻き込まれる恐怖、また、スーダン国内の物価の急激な高騰により、食料、医薬品、水の入手が困難な状態が続いています。
紛争以前から約1,500万人が人道支援を必要としており、もともと500万人ほどの国内外への避難民が発生してたスーダンですが、この紛争をきっかけに新たに45万人ほどの避難民が発生しており、今後も増加していく恐れがあります。
紛争初日から絶え間なく活動を続けるスーダン赤新月社
スーダン赤新月社(赤新月社はイスラム圏での赤十字社)は、全国に18の支部を持ち、全国に4万人のボランティアがいます。安全の確保が難しい非常に困難な状況にもかかわらず、紛争が起こった初日から各地でこころのケアや応急処置等を提供しています。
北ダルフール支部では115人の赤十字ボランティアが活動しています。そのうち6人のボランティアが保健・医療チームとして、エル・ファシャー病院を支援しています。また、同支部の遺体管理チームが尊厳ある埋葬を支援しています。
ゲジラ支部では、80人の赤十字ボランティアが、首都ハルツームから到着した国内避難民の受け入れ、宿泊、基本的な物資の支援を行っています。国内避難民の受け入れのためゲジラ大学の寮が提供され、これまでにハルツーム州からの住民2,700人が収容されています。
北コルドファン支部は、負傷者の応急処置と救急車サービスを提供しており、現在40人のボランティアがオルベイド病院と他の保健医療施設を支援しています。また、宿泊センターに到着した人びとにこころのケアや水の提供をしています。
また、エジプト、チャド、エチオピア、南スーダン、中央アフリカ共和国など国境を接する国々の赤十字・赤新月社のチームも国境沿いで安全を求めて避難する人びとに対して人道的支援を実施しています。
国際赤十字・赤新月社連盟が国際支援を要請、日赤も資金援助へ
連盟は、スーダン赤新月社の活動を支援するべく3,000万スイスフラン規模(日本円にして約45億円)の緊急救援アピールを発出しました。日本赤十字社からは、緊急支援としてこのアピールに500万円を援助する予定です。
赤十字国際委員会の支援物資がスーダンに到着
赤十字国際委員会(ICRC)は、緊急支援として8トンの医療物資を4月30日にポートスーダンに届けました。これには、負傷者数千人を治療する際に用いる麻酔薬や包帯、縫合糸などや、スーダン赤新月社が戦闘による負傷者を救援する際の医療資材が含まれます。5月3日には、これらの物資の一部をハルツームの病院に届けることができました。引き続き、移動中の安全を確保しながら国内のほかの病院やスーダン赤新月社のボランティアに物資を配付していく予定です(写真:支援物資の確認をするICRCスタッフ©ICRC)
ICRCは、すべての紛争当事者に民間人を保護するよう求め続けるとともに、外科手術チームの派遣や、医薬品、手術材料、医療資機材を提供し病院を直接支援し、負傷者を治療する能力を強化することを優先しています。
引き続き、2機目の飛行機を手配し、医療物資や、緊急支援を担当するためのスタッフを現地に派遣する予定です。(写真:ハルツームの病院に医療品を届けるICRCスタッフ©ICRC)