【速報2】モロッコ地震:発災から72時間を目前に懸命な捜索・救助活動が続く。日赤は海外救援金募集へ。
地震の影響で損壊した建物©モロッコ赤新月社
多数の負傷者が屋外で応急手当を受けている©モロッコ赤新月社
現地時間9月8日夜間にモロッコの都市マラケシュから71kmの山脈を震源として発生したマグニチュード6.8の地震から2日が経過し、徐々に被害状況が明らかになってきました。
現地時間10日午後4時(日本時間11日午前0時)現在、モロッコ内務省によるとマラケシュと震源地周辺5県を中心に、少なくとも2,122人が死亡し2,421人以上が負傷していると報告されているものの、被害の大きい地域はアクセスの厳しい山間部であることから、捜索・救命活動が難航しており、被害は更に拡大することも懸念されています。
発災から72時間を目前に倒壊した建物の下敷きになっている人の捜索・救命活動及び応急手当等が急がれ、現地では懸命な活動が続けられています。また被災者は、余震による建物の倒壊を恐れて路上で夜間を過ごすなどの状況が続いており、生存者への緊急の避難所支援、水・食料の提供、衛生環境の整備なども喫緊のニーズとなっています。
■モロッコ赤新月社のボランティアが被災地での救援活動を展開、国際赤十字はその活動をサポート
モロッコ赤新月社は発災直後から被災地に入り、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)や、地方自治体と緊密に連携をとって各地被災状況の評価、捜査・救助活動を実施しています。また、着の身着のまま避難してきた被災者への応急手当や、心理社会的支援(こころのケア)、負傷者の病院搬送などの支援を展開し、活動をさらに拡大していく予定です。
モロッコ赤新月社には全国で約8,500人のボランティアが登録されており(2021年時点)、道路やインフラが崩壊したアクセスの厳しい被災地においても、地元ボランティアが中心となり活動できる体制ができています。モロッコ赤新月社のスタッフ、ボランティアは昼夜問わず懸命な支援を続けています。
重症者の搬送を行うボランティア©モロッコ赤新月社
連盟はモロッコ赤新月社の被災地での救援活動を支援するために、災害対応緊急基金(DREF)から100万スイスフラン(日本円で約1億6000万円)の支援を決定しました。 現在も資金援助や緊急対応チームなどの人員を派遣する準備を進めており、被災国赤新月社のニーズに適時対応できる体制を整えています。
また周辺国の赤十字・赤新月社においても救援金の募集や救援物資の提供などの支援を実施しており、国際赤十字全体でモロッコ赤新月社の活動をサポートしています。
カタール赤新月社は食料品や救援物資、医療器機などをモロッコ赤新月社へ提供©カタール赤新月社
■日本赤十字社は9月12日から海外救援金の募集を開始
日本赤十字社は、この度のモロッコ地震の被害状況を受け、明日9月12日より「2023年モロッコ地震救援金」の募集を開始いたします。
お寄せいただいた救援金は、国際赤十字・赤新月社連盟、モロッコ赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動、防災・減災活動等に充てられます。皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
(9月12日追記)海外救援金の受付を開始しました。
「2023年モロッコ地震救援金」
受付期間: 2023年9月12日(火)~2023年11月30日(木)
使 途 : 国際赤十字・赤新月社連盟、モロッコ赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動、防災・減災活動等に使用されます。