【速報】イスラエル・パレスチナ間の大規模な武力衝突

 10月7日早朝6:30、パレスチナ自治区ガザ域内からのロケット弾発射を皮切りに激化するイスラエルとパレスチナの武力衝突は、多くの一般市民を巻き込み、多大な被害をもたらしています。イスラエルでは250名、パレスチナでは232名の死亡が報道されており、負傷者は双方1,000名を超えています(10月8日現在)。

■両側の砲火の下での救急救命活動(イスラエル・ダビデの赤盾社とパレスチナ赤新月社)

 イスラエル・パレスチナともに、現地赤十字社は負傷者の救急搬送や救命活動、亡くなった方の遺体収容に追われています。イスラエル・ダビデの赤盾社(イスラエルの赤十字社。以下、MDA)は40名の遺体を収容、数百名の負傷者の救命手当を行っています。また、パレスチナ赤新月社(以下、PRCS)はガザ域内で90名の遺体の収容や364名の負傷者の搬送・救命活動、西岸地区やエルサレムでも189名の負傷者の救急救命活動を行いました。

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救急車で出動中に銃撃に巻き込まれたパレスチナ赤新月社の救急隊員がパレスチナ自治区へ移送される ©PRCS

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イスラエルSderotでの負傷者を病院へ搬送するイスラエル・ダビデの赤盾社の救急隊員 ©MDA

 イスラエル・ダビデの赤盾社では救急車の運転手1名が銃撃に巻き込まれ死亡、パレスチナ赤新月社でも救援活動にあたる救急車への銃撃や救命センターへの爆撃により負傷者が出ています。

■日赤が支援しているパレスチナ赤病院も負傷者を多数受け入れ

 日本赤十字社が医療技術支援を行っているパレスチナ赤新月社のアルクッズ病院(ガザ)にも、多数の負傷者が運び込まれています。現地スタッフによると、10月7日だけで100名以上の治療を行い、患者の受け入れ態勢を強化しています。

■いかなる状況下でも、暴力は正当化されない

赤十字国際委員会(ICRC)のファブリツィオ・カルボーニ中東事業局長は、即座に懸念を表明しました。

「現地の映像やリポ―トを見てぞっとした。一般市民に向けられた暴力はすさまじく、とても正当化できるものではない。このまま事態がエスカレートすれば、双方の民間人への被害は甚大なものになるだろう。捕虜など捕らわれた人々に関する情報は、私たちのもとにも入ってきている。ここで改めて言いたいのは、国際人道法上、人質を取ったり、人質を取ると脅す行為は禁止されているということ。また、戦闘員を含め、拘束された者は人道的かつ尊厳をもって扱われなければならない。すべての当事者は、国際人道法上の義務を尊重すべきで、このことを私たちは断固として訴える。民間人と民用物に加えて、助けを必要とする人々が治療を受けられるよう医療従事者と医療施設を保護し、亡くなった人々も尊厳をもって扱わなければならない。ICRCは、中立的な仲介者として拘束された人々を訪問し、安否を確認し、身内に対して報告する準備を整えている」

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