【速報2】アフガニスタン地震:海外救援金の募集を開始
アフガニスタン西部ヘラート州で発生した大地震から4日。本震とその後複数回続いた余震は、日干しレンガで作られた住居を倒壊させ、多くの人びとの命と生活を奪いました。この震災により影響を受けた人びとは180万人いると推測され、アフガニスタン政府は10月9日までに、死者2,445名、負傷者9,240名、損壊家屋2,000棟の被害が発生したと発表しています。
ヘラート州では現地時間、本日10月11日の朝5時10分(日本時間9時40分)頃にも、本震と同規模のマグニチュード6.3の地震が地下10kmの浅い地点で観測されました。まだその影響は明らかになっていませんが、建物への被害や死傷者の数は更に増加することが懸念されます。
同州は、震災以前から、数十年にわたる紛争と長期化する深刻な干ばつやその他気候変動関連の影響を受けている厳しい人道危機の課題を持つ地域であり、今回の震災により人道状況はいっそう悪化しました。現地では地震被害に対する緊急支援と、複合的人道危機への対応を含めた復興支援が求められます。
被災した子どもに食事と水を提供するボランティア©ARCS
■アフガニスタン赤新月社は被災地での救援活動を拡大
アフガニスタン赤新月社は、同国の全34州に24,600人(うち女性6,700人)のボランティアを持ち、今回の地震発災後もただちにボランティアが被災地での緊急支援を開始しました。10月10日現在、100人以上のボランティアが被災地ヘラート州で対応を続けています。
―アフガニスタン赤新月社の活動状況(10月9日時点)―
・発災後すぐにアフガニスタン赤新月社ヘラート支部の災害対応チームが派遣され、瓦礫の下に埋もれた人の捜索・救助、負傷者への応急手当、救援物資の配付を実施。
・医療チーム(女性医師含む)16班を現地に派遣し、必要な医療支援を提供。
・被災地に緊急の避難テントを設置し、被災者が安全に過ごせる場所、水、毛布やブルーシートなどを提供。
・被災地域で食料(ジャム、チーズ、デーツ、米などを含む)2,000セットを配付。
発災後の2日間で計30,000人以上の人びとに食事や水を提供。
・地震により亡くなった方の遺体を丁寧に収容し移送するなど、尊厳ある遺体の取り扱いを実施。
・アフガニスタン赤新月社本社チームが当局と連携し、被災地各地での被害調査やニーズアセスメントを実施。
また、2020年7月からアフガニスタン赤新月社ヘラート支部は日本赤十字社の支援を受けて、気候変動対策事業を実施しており、この事業で防災・減災の研修を受けていたチームが余震や被災後の安全な過ごし方にかかる啓発活動などを実施しています。
被災者や負傷者のための避難テントを準備©ARCS
救援物資を準備するアフガニスタン赤新月社ボランティア©IFRC
医療チームによる被災者の診察©ARCS
被災者に配付する食料2,000セット©ARCS
■国際赤十字・赤新月社連盟は資金援助を強化
国際赤十字・赤新月社連盟は災害救援緊急資金(DREF)から75万スイスフラン(日本円で約1億2,000万円)の資金援助を決定し、前述のアフガニスタン赤新月社の救援活動をサポートしています。また、既に発出されているアフガニスタン複合危機にかかる緊急救援アピールを拡大する準備を進めており、国際社会へ広く資金援助を呼びかけ、地震対応や人道支援の強化を図っています。
■日本赤十字社は本日から海外救援金の募集を開始
日本赤十字社は今回の地震災害の深刻な被害状況を受け、本日10月11日より、「2023年アフガニスタン地震救援金」の受付を開始しました。お寄せいただいた救援金は、連盟、赤十字国際委員会、アフガニスタン赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動、防災・減災活動等に活用される予定です。
皆さまからの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
「2023年アフガニスタン地震救援金」
受付期間: 2023年10月11日(水)~2023年12月29日(金)
使途 : 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、アフガニスタン赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動、防災・減災活動等に活用されます