【速報5】イスラエル・ガザ人道危機:ガザ封鎖後初の人道物資の搬入、最初の人質解放を受け持つ赤十字
10月7日から激化しているイスラエルとガザ地区における武力衝突による犠牲者は増え続けています。ガザ地区では、200万人を超える人びとが苦しい避難生活を強いられていますが、外部との行き来を含めて移動が制限されているため、水、食料、病院向けの最低限の燃料も底をつきつつあり、人道支援物資の制限のない搬入が急がれます。また、イスラエルからガザに連れ去られた人は200人以上と報じられており、その解放に向けた努力が同時進行で続けられています。赤十字は、中立的な介入者として、当事者と人質の即時解放にまつわる対話を行っています。
エジプト側から運び込まれた支援物資の搬入を行うパレスチナ赤新月社のスタッフ ©PRCS
ガザ地区への最初の人道支援物資の搬入に成功
封鎖後最初の人道支援物資がエジプト赤新月社からパレスチナ赤新月社へ引き渡される
一刻も早い人道支援が必要な中で、10月21日にはパレスチナ自治区ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所が限定的に開通し、エジプト赤新月社のトラック20台が入りました。医薬品や食料などの人道支援物資が積まれたトラックはエジプト赤新月社と国連の協力の下、現地で支援活動を継続しているパレスチナ赤新月社に届けられました。パレスチナ赤新月社では負傷者や避難する人びとへの救援活動を継続するとともに、今後追加の支援物資の搬入についても受け入れが出来るよう準備を整えています。
ガザに向けて支援物資を運ぶ関係車両 ©PRCS
支援物資の搬入について打ち合わせを行うパレスチナ赤新月社とエジプト赤新月社のスタッフ ©PRCS
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の声明
IFRC事務総長のジャガン・チャパゲインは次のように述べました。「エジプト赤新月社、パレスチナ赤新月社の協力で初めて人道支援物資がガザに届けられたことに感謝する一方、ガザでの膨大な人道ニーズを満たすためにはさらなる支援が必要だと考えています」
ガザについては病院向けの燃料や水などの追加の支援は欠かせない状況であり、支援物資の運搬車両の安全な通行ルートが確保されるよう、国連・赤十字をはじめとして人道支援団体全体がその安全なアクセスを要請しています。10月22日にも支援物資の搬入が行われましたが、今後の支援物資の継続的な運搬ルートの確保は肝要です。
初めて解放された人質を移送
赤十字国際委員会(ICRC)による対応
ICRCは中立的な立場で紛争当事者との対話を続けており、10月20日には初めて解放された人質2名が引き渡され、ガザからイスラエルに移送する支援を行いました。ICRC総裁のスポリアリッチは次のように述べました。「2名の人質が解放されたことは、一縷の希望をもたらしました。私たちは、すべての人質の即時解放を引き続き要請し、全力をもって人質とその家族を助ける用意ができています。同時に、絶望的な状況にあるガザでの停戦を緊急に求め、人々の命を救うための支援態勢も整えています」
日本赤十字社は引き続き国際赤十字と連携して今回の人道危機で苦しい状況に置かれた人びとへ支援を届けて参ります。みなさまのご支援宜しくお願い致します。
「イスラエル・ガザ人道危機救援金」
受付期間: 2023年10月17日(火)~2024年1月31日(水)
使途 : 赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟、イスラエル・ダビデの赤盾社、パレスチナ赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動等に使用されます。*周辺国等に人道危機が波及した場合には、その対応を含む。