イスラエル・ガザ人道危機:3/25に報告会を実施 武力衝突の激化から半年 危機的な状況が続く現地は今
イスラエル・ガザの武力衝突の激化から来月7日で半年が経過しようとしていますが、人質はいまだ解放されないまま、家族が安全を祈りながら再会を待ち望んでいます。また、ガザ地区の人道状況も悪化する一方で、人道支援が円滑に行えないなど、事態の打開が急務です。赤十字の立場から見た現状を一人でも多くの方に知っていただきたく、3月25日(月)に報告会を実施いたします。
現地をとりまく状況、深刻な栄養失調も
ガザ地区での犠牲者は3万人を超えました(UN OCHA)。ガザの人口約230万人のうち約120万人が18歳未満の子どもで、そのほぼ全員が心理社会的支援を必要としています(UNICEF)。ガザ地区北部の子どもの6人に1人が栄養失調に陥っていることや妊娠中・授乳中の女性の深刻な栄養不良も指摘されています(UNICEF)。また、人質やイスラエル側の被害に関しても、国連の調査チームが現地入りし、性暴力など非人道的行為に関する報告書を先日発表しています。
ガザでは国内避難民170万人のうちの150万人が南部のラファに逃れているとされています(UN)。現地の様子はこちらの映像でご確認いただけます。限られたスペースに多くの人が集まって生活を繋いでいます。
医療現場も安全が脅かされており、ハンユニスのナセル病院とパレスチナ赤新月社が運営するアル・アマル病院の近くでは激しい攻撃が相次いでいます。
夜明けを待ち被害の確認に向かうパレスチナ赤新月社の職員©PRCS
国際人道法には戦時に守られるべきルールが定められており、戦闘に関わらない民間人に加えて病院、医療や人道支援にあたる人びとは保護の対象になっています。それは命の危険に晒されている人びとの支援を継続するために支援者自身も安全に活動を行う必要があるからです。
武力衝突が激化して以来、現地の赤十字・赤新月社のスタッフは常に最前線で救援活動やラファ検問所からの支援物資の搬入や配布、心理面でのサポートなどを行ってきました。日本赤十字社は引き続き、現地の赤十字・赤新月社や国際赤十字を支え、苦しい状況にある人びとへの支援を継続し、国際人道法遵守の必要性を訴えていきます。
【告知】赤十字オンライン報告会:武力衝突の激化から半年
武力衝突の激化から半年に先立ち、オンライン報告会を開催することと致しました。現地を知る日本赤十字社およびICRCの職員が、これまでの赤十字による活動、現在の人道状況などご報告させて頂きます。みなさまのご参加をお待ちしています。報告会で聞きたいことがある方はこちらのフォームから事前にお知らせ頂けますと幸いです。3月19日(火)までご入力頂けます。
日 時: 2024年3月25日(月) 19:00~20:00
場 所: オンライン(zoom ウェビナー)※後日録画を日赤ウェブサイトに掲載予定。
内 容: 本人道危機の対応を行っている日赤職員・ICRC職員による報告
発表者: 日本赤十字社 中東地域代表部 首席代表 松永一
赤十字国際委員会(ICRC) 駐日代表部 広報統括官 眞壁仁美
赤十字国際委員会(ICRC) 広報官 ノート・チッタラット※
申込み: 事前申し込み不要。どなたでもご参加頂けます。こちらからお入りください。[ウェビナーID 833 6247 7484]
*ブラウザからご視聴の場合、Cookieの設定が必要となる場合があります。
※ガザから戻ったノート・チッタラットICRC広報官がオンライン登壇します。現地から切迫した状況を伝える動画はこちらからご覧頂けます。
*爆発音が含まれるため、ご覧になる際はお気を付けください。
「イスラエル・ガザ人道危機救援金」
受付期間: 2023年10月17日(火)~2024年9月30日(月) *延長となりました
使途 : 赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟、イスラエル・ダビデの赤盾社、パレスチナ赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動等に使用されます。*周辺国等に人道危機が波及した場合には、その対応を含む。