南部アフリカ地域 地域保健と気候変動対策
日本赤十字社は2003年より、国際赤十字・赤新月社と協力し、南部アフリカ地域においてエイズ孤児の支援活動を行ってきました。事業では、エイズ孤児やその家族が偏見や差別に苦しむことなく、HIV /エイズに関連する負の影響を受けずに暮らせるよう、保健・衛生、教育、生計支援、防災の各分野から包括的な支援を提供しています。これまでに、同地域の9カ国に支援を届けてきました。
近年、感染症に加えて、子どもの健全な成長に大きな脅威となっているのが世界的な気候変動です。サハラ以南のアフリカでは、洪水や干ばつ、害虫の大量発生など、自然災害が激化しており、農作物が被害を受け、深刻な食料不足が発生しています。この影響で、子どもたちは健康を損ない、学びの機会すら奪われています。学校へ行く前に遠くまで水くみに行き、家に食べるものがない子どもは、空腹で歩いて学校まで行きます。学校の給食が唯一の食事という子どもも少なくありません。
こうした状況を受け、本事業では従来の支援に加え、栄養改善にも取り組んでいます。学校給食に必要な物資の提供に加えて、学校農園や菜園の設置を支援しています。また、地域の人びとに対して、干ばつに強い農作物の栽培技術や知識、自然災害から身を守るための防災知識の普及を進め、子どもたちやその家族を取り巻く複合的な課題の解決を目指します。
2024年度からは、中長期的な視点に立ち、より高い成果を上げるために、複数年度支援を決定し、ナミビア、マラウイ、エスワティニ、ザンビアの4カ国を支援しています。
更新情報
2023年12月20日:赤十字運動の未来を担う子どもたちを育てる~南部アフリカ赤十字社の取り組み~
2022年6⽉8⽇:「静かな大災害」に襲われたアフリカに思いを馳せて
2021年8月25日:「野菜の日」とアフリカのベジタブルガーデン
2016年5月10日:多様性の視点を持って、南部アフリカ地域を支える~日赤のHIV/AIDS事業~