2023年トルコ・シリア地震救援
2024年2月に発災1年を迎えたトルコ・シリア地震。日本赤十字社と国際赤十字の1年間の活動を、ぜひ動画でご覧ください。
トルコ・シリア地震
2023年2月6日、トルコ南東部のシリアとの国境付近で発生したマグニチュード7.8の地震とその後も続いたマグニチュード7クラスの余震により、数十万の建物が損壊し、トルコ、シリア両国合わせて約6万人が犠牲となる甚大な被害を受けました(5月5日時点)。多くの人びとが家を失い、現在も避難生活を余儀なくされています。
氷点下にもなる厳しい寒さのもと、さらに、シリアでは長年にわたる紛争や経済制裁の影響により人道支援が困難をきわめる中、トルコとシリア両国の赤新月社(イスラム圏の赤十字社)は発災直後から被災地に駆付け、救援活動を開始。その活動を国際赤十字のネットワークでサポートし、総力を挙げて被災者への支援に取り組んでいます。
トルコ赤新月社・シリア赤新月社及び国際赤十字の対応
両赤新月社は、発災直後の救命活動から、食料や水、住居、保健医療、こころのケアの提供など、被災した方々のいのちと健康、尊厳を守るため幅広い支援を続けています。
トルコ赤新月社
避難所支援:テント・毛布の配付等。
食事の提供:炊き出しによる温かい食事の提供、やレトルト食品の配付等。
保健医療支援:巡回診療による農村部での医療の提供、こころのケア、地域保健活動等。
水と衛生:ペットボトルや衛生キット(おむつ等)の配付、移動型シャワーや浄水設備の設置。
現金給付:キャッシュカードの活用による生活支援金の給付。
血液の供給:血液製剤の提供、献血推進キャンペーンの実施等。
温かい食事をつくるトルコ赤新月社のスタッフ©TRCS
シリア赤新月社
救援物資の配付:食料、栄養補助剤、衛生用品、毛布、寝袋、マットレス等の配付。
救助活動:倒壊家屋からの救助・応急手当、病院への搬送。
保健医療支援:巡回診療、母子保健、医薬品提供、こころのケア支援等。
水と衛生:ペットボトルや衛生キットの配付、浄水タンクの設置。
離散家族支援:離ればなれになった家族の再会支援(情報提供等)。
予防・啓発活動:ジェンダーに基づく暴力の予防啓発活動、地震発生時の適切な対応を伝える講習等。
負傷者に応急手当をするシリア赤新月社ボランティア ©SARC
国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)と赤十字国際委員会(ICRC)
緊急救援アピール(支援要請)を発出するなど、国際連携の調整を図っています。
【連盟】 緊急救援アピール トルコにおける活動のため:4億スイスフラン(約600億円) ※連盟事務局の要請額 シリアにおける活動のため:1億スイスフラン(約150億円) ※連盟事務局の要請額 |
シリアの被災者に配付する救援物資を輸送する連盟スタッフ©IFRC |
【ICRC】 予算拡大アピール トルコにおける活動のため: 260万スイスフラン(約3.9億円) シリアにおける活動のため: 2,900万スイスフラン(約43.5億円) |
アレッポの被災状況調査を行うICRCとシリア赤新月社職員©ICRC |
※上記日本円は1スイスフラン=150円で計算した場合
緊急救援アピールに関連する資料
【 トルコ 】
緊急救援アピールの改訂活動戦略(2023年6月7日付)
REVISED OPERATIONAL STRATEGY (日本語)
緊急救援アピールの活動報告書(2024年2月2日付)
OPERATION UPDATE5(日本語).pdf
【 シリア 】
緊急救援アピールの活動戦略(2023年3月12日付)
OPERATIONAL STRATEGY (日本語).pdf
緊急救援アピールの活動報告書(2023年12月20付)
OPERATION UPDATE2(日本語)
日本赤十字社の対応
「トルコ・シリア地震救援金」の募集 -ご協力ありがとうございました。
日本赤十字社は国際赤十字の大規模な資金援助要請に対して速やかに「2023年トルコ・シリア地震救援金」の募集を行いました(2023年2月9日~2023年5月31日)。皆様からたくさんの温かいご支援をいただき、本当にありがとうございました。お寄せいただきました救援金は、赤十字の救援活動のほか、中長期的な復興支援にも役立ててまいります。
日本赤十字社の支援
トルコでの支援
救援最初期から大規模に展開された、トルコ赤による食料支援。日赤は連盟緊急アピールを通じて資金援助を実施。©IFRC |
日赤が支援する、コンテナキャンプでの地域保健活動の様子。この日は子どもたち向けの衛生教育にて手洗いの大切さをレクチャー。©TRCS |
クアラルンプールの倉庫からトルコに運ばれる日赤の救援物資。毛布1万枚、飲料水用の容器5,000個、ブルーシート1万枚、キッチンセット2,000個をトルコに寄贈。©IFRC |
現金給付支援の一環として被災者に配付されたスーパーマーケットで使えるバウチャー券。日赤は連盟緊急アピールを通じてこれらの現金給付支援に資金援助を実施。©TRCS |
シリアでの支援
毛布など支援物資を被災者に届ける準備をするシリア赤新月社スタッフ。日赤からの支援も連盟の緊急アピールに対する資金援助を通じてシリア側の被災者にも届いている。©SARC |
アレッポで水を配付するICRCとシリア赤新月社職員。日赤はICRCアピールに対しても資金援助を実施。©ICRC |
巡回診療車内の様子。日赤は、今回の地震を受けて震災以前より継続的に支援してきたこの活動への支援の拡大を決定。©SARC | 紛争が12年目を迎えようとするタイミングで今回の地震が発生。子ども向けこころのケアも長期的な視点を持って行われる。日赤は主に保健医療分野に対する支援を継続している。©SARC |
日本赤十字社からの人的貢献
2月26日 |
トルコへ医師・看護師・こころのケア要員からなる医療調査団を派遣 (現地の保健医療ニーズ及び日赤の支援拡大の可能性を調査) |
日赤医療調査団とカフラマンマラシュ村の現地の子ども©日本赤十字社 |
3月15日 |
シリアへ医療ロジスティクス要員として薬剤師を派遣 (複数の赤十字社からなる巡回診療緊急救援チームに薬剤師を派遣。 医薬品等1.3トンを提供) |
巡回診療車両内で現地看護師と医薬品準備を進める日赤薬剤師©日本赤十字社 |
4月20日 |
シリアへ国際赤十字保健医療コーディネーターとして看護師を派遣 (シリア赤の保健医療全般の活動を指揮・サポート) |
シリア赤新月社の現地スタッフと話し合う日赤看護師©日本赤十字社 |
5月22日 |
シリアへ医療ロジスティクス要員として薬剤師を派遣 (複数の赤十字社からなる巡回診療緊急救援チームに薬剤師を派遣。) |
被災地の子どもたちと触れ合う日赤薬剤師 ©日本赤十字社 |
加えて、トルコ・シリア両国に連絡調整員を継続的に派遣し国際赤十字との連携を行っています。
【 動画 】トルコ・シリア地震救援 日赤職員より現地の活動報告
シリア:巡回診療を支援する日赤薬剤師による現地でのリポート
トルコ:発災8日後から被災地に派遣された日赤職員によるリポート
日赤は引き続き変化する現地のニーズ合わせて救援活動を続けるとともに、将来の復興を見据えた中長期支援を計画・実施していきます。
【速報/赤十字国際ニュース】トルコ・シリア地震における赤十字の対応等について
【速報16】トルコ・シリア地震:日赤から国際赤十字保健医療コーディネーターを派遣、2億円の資金援助を実施(シリア)
【速報15】トルコ・シリア地震:日赤支援で巡回診療を強化。震災から2か月、被災地の今(トルコ)
【速報14】トルコ・シリア地震:日赤からシリアに薬剤師を派遣、医薬品を供給し被災地の医療に貢献
【速報13】トルコ・シリア地震:6億円の追加資金援助を決定、救援物資の支援を継続
【速報 12】トルコ・シリア地震:日本赤十字社の医療調査 チームがアセスメントを実施(トルコ)
【速報11】トルコ・シリア地震:日赤職員からの現地レポート(トルコ)
【速報10】トルコ・シリア地震:日赤支援によるシリア赤新月社の「巡回診療チーム」が活動中
【速報9】トルコ・シリア地震:トルコでの「こころのケア」活動
【速報7】トルコ・シリア地震:大災害に立ち向かう現地スタッフ、被災者の声
【速報6】トルコ・シリア地震:日赤から2億円の追加資金援助を決定
【速報5】トルコ・シリア地震:パレスチナ難民キャンプでの支援活動
【速報4】トルコ・シリア地震:発災直後から救援活動を開始するために
【速報3】トルコ・シリア地震:赤十字は被災地域での救援活動を拡大、国際社会に長期にわたる支援と連帯を呼びかけ
【速報】トルコ・シリア国境付近で大地震が発生、日赤から2,000万円を支援
トルコ・シリア地震赤十字救援活動オンライン報告会
現地の状況と赤十字の支援活動をお伝えするため、オンライン報告会を開催しております。
2024年2月6日:トルコ・シリア地震から1年 赤十字の活動報告会
2023年3月17日:発災から1か月、被災地の状況と現地派遣中の職員の活動をお伝えする報告会