【終了】2022年パキスタン洪水救援
2022年6月中旬からパキスタンを襲ったモンスーンによる豪雨は、過去30年の平均の3倍もの異常な雨量となり、国土の3分の1が浸水。同国ではここ数十年で最悪の洪水を引き起こしました。人口の15%にも及ぶ3,300万人が被災し、1,700人以上が命を落としたとされる今回の大災害。深刻な水没被害により数十万もの家屋が損壊し、多くの人びとが住む場所を失いました。
国土の3分の1が水没する被害を受けているパキスタン被災地の様子©PRCS
国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は、災害の規模や洪水の長期的な影響から生じる大規模な人道的ニーズを考慮し、国内の様々な地区で100万人に支援が届くよう、当初発出した2,500万スイスフランの緊急救援アピール(資金援助要請)を4,000万スイスフラン(約58億4,000万円)に増額改訂し、資金援助を呼びかけています。
この資金は、居住支援(避難所やテントの提供)、保健・医療支援、物資支援、給水・衛生および衛生促進(WASH)のような基本的なニーズの対応や、現金給付による生計支援などを通じて、最も被害を受けた地域を支援するために活用されています。
洪水被害に対する支援活動
日本赤十字社
◆資金援助
連盟の緊急救援アピールの発出後即時に500万円の資金援助を実施。救援金の受付終了後には追加で4,900万円の資金援助を行いました。
これらの資金によりパキスタン赤新月社及び国際赤十字の活動(※)を支援しています。
◆物資支援
日赤がマレーシアに備蓄している海外救援物資の一部、2,000枚のブルーシート、923張の家族用テント(計約3,100万円相当)を、連盟を通じてパキスタン赤新月社に寄贈いたしました。
日赤支援のブルーシート2,000枚©IFRC
今後も現地赤十字社等を通じて被災地域で必要とされる支援を継続していきます。
(※)パキスタン赤新月社及び国際赤十字
パキスタン赤新月社は早期から国際赤十字や、政府、国連、その他機関とも緊密に連携を取り、全国の膨大なニーズへの対応を続けてきました。国際赤十字のサポートの下、これまで下記のような人道支援を届けています(2024年2月20日現在)。
◆居住支援 317,072人・・・テントや防水シート、家屋修繕キット、防寒用の衣服の提供
◆保健・医療支援 573,180人・・・医療施設や巡回診療チームの派遣による保健・医療支援、心理社会的支援(こころのケア)
◆物資支援 647,616人・・・食料品、水、毛布、生活必需品など物資の配付
◆給水・衛生及び衛生促進 210,266人・・・浄水施設の設置による安全な水の供給、衛生促進の講習、衛生用品キットの配付、蚊帳の配付によるデング熱やマラリア等の感染症リスク軽減
海外救援金の受付と使途
「2022年パキスタン洪水救援金」の受け付けは、2022年11月30日をもって終了いたしました。
最終受付金額:8,476万8,759円
主な支援先:連盟緊急アピール(連盟、パキスタン赤新月社が行う救援・復興支援活動、防災・減災活動等に使用)、日赤からの寄贈物資(ブルーシート2,000枚、家庭用テント923基)
ご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。
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配付されたテントを組み立てる様子©TRCS
診察・薬を提供する様子©PRCS
食事を配付するパキスタン赤新月社ボランティア©PRCS
浄水設備を組み立てる赤十字スタッフ©PRCS