Voice4 ~赤十字病・産院で活躍する先輩看護師~
看護師を目指し、就職活動をしている皆さん、こんにちは。
4回目を迎えた本企画、前回に引き続き北見赤十字病院より、お届けしていきます。
今回ご紹介するのは、本間 淳子(ほんま じゅんこ)看護師長です。
本間さんには、北海道胆振東部地震発災時に、看護師長として救護班※1に参加された経験などについてお伺いしました。
※1の解説は2020年5月8日に掲載されている
「Voice3 (http://www.jrc.or.jp/medical-and-welfare/medical/news/200508_006183.html)」をご覧ください。
-はじめに、入職してからこれまでの経歴を教えてください。
入職して最初に配属されたのは未熟児センター(現在のGCU)で、その後、血液と消化器の内科、泌尿器科外来などを経験して、現在は小児科病棟で勤務しています。
既に閉校していますが、北見赤十字看護専門学校で教員を経験し、救急救命士の国家資格、赤十字救急法※2、幼児安全法の講師資格も取得しました。
東日本大震災のときは看護ケア班の一員として、今回の北海道胆振東部地震の際は救護班の看護師長として現地で活動しました。
-なぜ、救急救命士の国家資格も取得しようと思ったのですか?
最初に内科に配属になったときに「病院の外で急変した患者さんと遭遇しても、看護師なのに誰も助けられないのではないか」「外科の分野も勉強したい」という思いから、救急救命士の資格取得を目指しました。
救急救命士の資格を取得していることもあってか「赤十字救急法の指導者にならないか?」と声も掛けていただけましたし、学んだことは、被災地で活動する際に役立てられるのではないかと思います。
-被災地で活動する際に意識していたことはありますか?
私達も「被災者の方のために」と思って活動するわけですが、それが被災者の方からすると、時に負担に感じさせてしまうことがあります。ですので、被災者の方の負担にならないよう「必要なときに寄り添う」ことを心掛けていました。
また、日頃から看護に携わっている私達でも、被災地での活動は勝手が異なるため、いつも通りというわけにはいきません。今回、私は看護師長として救護班に参加していましたので、メンバーの心身に過度な負担が掛からないよう、意識もしながら活動していました。
-災害の現場で看護師の視点が活かされたな、と感じた点はありますか?
救護所に来た方は患者さんとして診て、痛みを訴える場所から想定できることを考えて情報収集し、既往歴や内服薬を確認しました。患者さんがお子さんの場合、お母さんのケアにも心を配ります。この視点は看護師ならではないかと思います。
また、認知症の方へのケアも看護師としての視点で、歩行や排泄の状況、感染防止のことについても確認、伝達できたことは良い点だと思いました。
救護活動を行う場合、全員が初めての現場になるので、情報共有をして「何が必要か」を話し合うことが一番大事になります。
班員一人ひとりが気付いた点を情報共有してくれていたこともあり、私も指示を出しやすかったですし、自分で仕事を見つけて行動に移してくれている姿を見て、「現場で成長しているな」と、頼もしく感じました。
-被災地での活動経験をどのようにして次に繋げていきたいですか?
被災地での救護活動は赤十字にとって大事な使命の1つで、今後も続いていくものです。
私たちのように被災地で活動してきた職員が、実践して上手くいった点、反省すべき点をより多くの方に共有していき、積み重ねていくことで、赤十字の救護活動はより良いものになっていくのではないかと思います。
また、私は救急法と幼児安全法の講師もしていますので、講習の場面で職員はもちろん、一般の方にも救護活動時の心構え、災害時にどうしたら良いかを発信していきたいと考えています。
-最後に、赤十字医療施設へ就職を考えている皆さんへ一言お願いします。
まずは、ホームページやイベント、報道などから赤十字がどのような活動をしているか知ってもらい、興味があるものには積極的に参加していただきたいですね。
赤十字救急法の受講は北見赤十字病院でも募集をしていますし、災害を想定したロールプレイは被災地での活動のイメージを掴むのに役立つと思います。
また、当院は海外派遣から帰国した職員の活動報告や講演も行っております。一般の方も聴講できますので、国際活動に興味がある方にもお勧めです。
-本間さん、インタビューへのご協力ありがとうございました。
※2「赤十字救急法」とは?
赤十字救急法は、日常生活における事故防止や手当ての基本、胸骨圧迫や人工呼吸の方法、AED(自動体外式除細動器)を用いた除細動、止血の仕方、包帯の使い方、骨折などの場合の固定、搬送、災害時の心得などについての知識と技術の習得を目的とし、どなたでも受講が可能です。
この他にも「水上安全法」、「雪上安全法」、「幼児安全法」、「健康生活支援講習」の講習も実施しています。
更に詳しく知りたい方はリンク先をご覧ください。
(http://jrc.or.jp/activity/study/kind/)
<北見赤十字病院の紹介>
北海道北見市に立地し、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院などの指定を受け、オホーツク医療圏の中核病院(病床数:532床)として急性期医療を担っています。
病院を利用される皆さまに寄り添い、一人ひとりを大切にした看護の提供ができるようにレベル別研修会やプリセプター制度を導入し、看護職員の成長支援をしています。
また、認定看護師や専門的資格の取得などのキャリアアップも積極的に支援しています。
更に詳しく知りたい方は、北見赤十字病院のホームページをご覧ください。
(https://www.kitami.jrc.or.jp/)
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