【配分決定】13カ国に約3,600万円  世界で最も古い開発協力基金「昭憲皇太后基金」~The Empress Shoken Fund~

~105年の歴史~

赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟で構成される昭憲皇太后基金合同管理委員会は、今年度の昭憲皇太后基金の配分先を決定。衛生環境への支援、若年層向けの教育活動、防災事業や環境問題への対策等を推進する13カ国の赤十字社に総額約3,600万円(32.4万スイスフラン)が配分されます。
明治45年(1912年)に創設された同基金。これまで配分されたのは、世界163カ国累計額約15億円にのぼります。

◆◇◆◇第96回 昭憲皇太后基金配分の概要◆◇◆◇

1. スワジランド赤十字社(アフリカ):約303万円
水・衛生環境の改善
1,000世帯を対象とした手洗い研修や、干ばつの影響を受ける地域に対して水・衛生環境の改善を行います。

2. チャド赤十字社(アフリカ) :約216万円
「母親のクラブ」の促進
地域を活気付けるため、特に女性に対して基礎保健や衛生といった知識や技術を伝達し育成します。

3. ギニア赤十字社(アフリカ) :約331万円
地域の衛生環境の改善
エボラへ対応した経験から、将来の感染者をなくすため地域の衛生環境を改善します。

4.トーゴ赤十字社(アフリカ):約309万円
若年層の献血推進
ユースボランティアを中心に、健康を促進し無償献血者を増やすため活動します。

5.アンティグア・バーブーダ赤十字社(南アメリカ)約262万円
地域との連携強化
活動基盤を強化するため、地域との連携を強化し、活発で専門性の高いボランティアを増やします。

6.アルゼンチン赤十字社(南アメリカ):約313万円
救急法の普及
赤十字社の各支部にて救急法を数多く展開するため、規模を拡大し普及活動を促進します。

7.ニカラグア赤十字社(南アメリカ):約246万円
活発的で健康的に年をとるためのプログラムの促進
高齢者が社会で孤立し孤独にならないよう、ボランティアとともに健康を促進し地域との連携を深めます。

8.フィリピン赤十字社(アジア大洋州):約228万円
災害等に対応する能力の強化活動
特に学校の先生を対象とした防災教育を普及し、訓練等を通して災害対応能力を強化します。

9.カンボジア赤十字社(アジア大洋州):約277万円
若者に対する交通安全の強化
交通安全運動を促進し、交通事故をなくす活動を行います。

10.ジョージア赤十字社(ヨーロッパ):約311万円
ユースの活動を促進
紛争の影響を受けた若年層に対し、社会活動を通じて活発的な市民として活動することを促進します。

11.キルギス赤新月社(ヨーロッパ):約224万円
歩行者と運転手の交通安全の促進
歩行者と運転手の交通安全の促進し、交通事故の件数を減少させます。

12.クロアチア赤十字社(ヨーロッパ):約249万円
医療の充実
社会的弱者等支援が必要な方へ医療を提供します。

13.レバノン赤十字社(中東・北アフリカ):約300万円
赤十字の人道的価値と原則の普及
差別や暴力のない社会を形成するため、人道的価値と赤十字の原則を普及します。

◆ 今日の開発援助の先駆けとなった昭憲皇太后基金
昭憲皇太后基金は、明治45年(1912年)にワシントンで第9回赤十字国際会議が開催された際、明治天皇の皇后であった昭憲皇太后が赤十字の平時事業を奨励する思し召しをもって国際赤十字に10万円(現在の3億5千万円相当)を寄付されたことを機に創設されました。
赤十字が戦時の活動を中心としていた時代に、災害対策、保健衛生、血液事業、青少年赤十字活動など、今日の開発援助を先取りする本基金の創設は極めて画期的なことでした。また、同基金は皇室をはじめとする日本からの寄付金によって成り立っています。
運営と配分は昭憲皇太后基金合同管理委員会が行い、毎年、昭憲皇太后のご命日にあたる4月11日に配分しています。
世界中の災害・感染症などに苦しむ人びとの救済や福祉の増進、防災、病気の予防など、時代を先取りした率先的な人道支援は世界で高く評価され、深い敬意と謝意が寄せられています。