AEDが使えるようになって20周年
2024年7月1日、一般市民によるAEDの使用が解禁されて20年の節目を迎えました。
この20年間、日本赤十字社では、救急法等の講習を通じて、AEDの使用方法を含む一次救命処置を広く社会に普及してきました。AEDに関する講習受講者は累計で7,474,331人に上ります。
また、2014年には、AEDの普及促進を目的に「減らせ突然死」プロジェクト(日本AED財団(2016年設立)の前身)が発足し、日本赤十字社も当初からメンバーとして共に活動してきました。
心肺蘇生とAEDを用いた電気ショック
突然の心停止は、心臓が細かく震えだす心室細動という不整脈によって生じることが多く、心臓を正常な動きに戻すためには電気ショックによる「除細動」が必要となります。心室細動になった傷病者では、心停止から電気ショックまでの時間が、救命の成否を決定する最も重要な因子となります(下図)。
心停止から5分以内に電気ショックを行えば救命率は特に高く、市民によるAEDを用いた電気ショックの有効性がいくつかの臨床研究によって示されています。
AEDは、コンピュータによって自動的に心室細動の有無を解析し、電気ショックの要否を音声で指示する機器であり、市民でも扱えます。AEDを操作できる市民が大幅に増えることによって、心停止から電気ショックまでの時間が短縮され、心停止した傷病者の救命率向上が期待されています。
※赤十字救急法基礎講習教本(7版)から引用
日本赤十字社の取り組み
日本赤十字社では、いざという時にまわりの人が迅速かつ適切に手当を行い、ひとりでも多くのいのちが救われることを目的に、一次救命処置について学ぶ救急法基礎講習と応急手当について学ぶ救急法講習を開催しています。
その中でも特に重要な「心肺蘇生」と「AED」について学べる動画を「JRC蘇生ガイドライン(※)2020」に基づき作成しております。
※JRC蘇生ガイドラインについて
一次救命処置や応急手当については、国際蘇生連絡委員会(ILCOR)から発表される「心肺蘇生に関わる科学的根拠と治療勧告コンセンサス(CoSTR)に基づき、国や地域の事情に合わせてガイドラインが作成されます。
赤十字講習
一次救命処置は、「赤十字救急法基礎講習」にて学ぶことができます。
令和5年度は日本全国各地で1,965回の講習が行われ、39,813人の方にご受講いただきました。
講習のお申し込みについて
講習の開催、お申し込みや受け付け等につきましては、日本赤十字社各都道府県支部が実施しております。受講を希望される支部のウェブサイトから受講可能な場所、日程をご確認のうえ、該当支部に直接お申し込みください。
20周年記念イベントのご紹介
日本赤十字社を含む関連団体・企業をメンバーとした「AED20周年記念企画実行委員会」は、AED20周年記念としてシンポジウムを開催することとなりました。同日には、併設でAED体験コーナーも開催いたします。
■20周年記念シンポジウム
日時:2024年7月14日(日)13:00~16:00
会場:有楽町朝日ホール 12階( 入り口は11階です。ご注意ください。)
東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン
■AED20周年記念企画 AED体験コーナー
日時:2024年7月14日(日)12:00~17:00
会場:有楽町朝日ホール 11階 スクエア
東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン
*AED体験コーナーは、事前のお申し込みなしで、ご自由にご参加いただけます。