青少年赤十字でできること~いじめについて~
「いじめ」をテーマとした令和元年度青少年赤十字指導者中央講習会を日本赤十字社本社にて開催。
全国から57名の青少年赤十字活動の中心となって活動されている指導者の方々が集まり、いじめに対して、青少年赤十字でできることについて考えました。
いじめを早期に認識し対応してく必要がある
日本赤十字国際人道研究センター副所長から、いじめ問題を緊急性の高い人道上の問題と捉え、人道的価値観の普及といじめへの早期の対応の必要性についての講演がありました。
赤十字では人道の敵として「利己心、無関心、認識不足、想像力の欠如」を挙げています。特に他者の痛みへの「無関心」は、長期的には「いのち」をも奪う危険なものです。
また、暴力や仲間外れとったいじめを、「恐怖からの自由」「欠乏からの自由」という人間の安全保障の観点からも考える必要があります。
いじめは、学校に限らず一定の人間関係が存在する社会構造においては常に起こりうるリスクがあることを認識する必要があり、早期に認識し対応してく必要があると述べられました。
青少年赤十字はいじめ問題を解決する一助になる
高崎市教育委員会教育長からは、いじめ問題や不登校問題に対する高崎市の取組みや成果、課題についてお話をいただき、青少年赤十字との関連についてご講演をいただきました。
高崎市立学校で行われている掲示板活動や1円玉募金、救急法の講習などの活動紹介を通し、青少年赤十字は、「命の大切さ」「思いやり」「自主性とリーダーシップ」を育む教育であり、これらがいじめ問題を解決する一助になると述べられました。
事例報告「いじめ問題に青少年赤十字でできること」
玉村町立玉村中学校教頭からの事例報告では、防災教育「まもるいのち ひろめるぼうさい」のプログラムは、気づきのアンテナを研ぎ澄ませ、リーダーシップ・フォロワーシップを発揮させ、自己有用感を高めることに繋がることが報告されました。
また、日本赤十字社千葉県支部職員からは、日本赤十字社が毎年発行している機関紙を道徳や社会科等に活用し、身近な出来事や自分自身の生活に対して、「気づき、考え、実行する」ことを実践していくことで、あらゆる課題について自分ごととしてとらえることができる利点があると述べられました。
青少年赤十字活動の具体的な取り組みについて紹介され、これらの活動の継続が、いじめ問題の解決に繋がることが報告されました。
グループディスカッションで議論を深めた参加者からは、
「講演は青少年赤十字といじめ問題を結びつけるためのヒントがたくさんつまっていました。各地の教員の方々とのディスカッションでそれがさらに具体化したので、自分の高校に持ち帰って取り組んでいきたいです」
「学校でのいじめ問題は各校で状況は異なるが、青少年赤十字という共通の土壌で語り合うことで広い視点が持てるのではないかと思いました」
といった感想が寄せられました。
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