ネパールの授業って?青少年赤十字メンバーが集まる衛生ルームとは?~ネパールへ海外支援事業の最終評価~【シリーズ②】
青少年赤十字活動の国際理解・親善の一環として、日本の子どもたちが集めた募金(通称:一円玉募金)が、赤十字社を通じて海外の子どもたちのために使われています。
令和元年12月に、海外支援事業の最終評価を行うためネパールを訪問。ネパールの現状をシリーズでお伝えしています!前回は「来年も僕の木の成長を見に来てね~ネパールへ海外支援事業の最終評価~【シリーズ①】」をお届けしました。今回は、支援先の学校の様子をお伝えします。
「どうして石鹸で手を洗うの?」~衛生に関する授業~
ネパールの教室には窓ガラス、カーテンや電気はなく、差し込む自然光のもとで勉強します。そんな学校では、子どもたちが衛生的な行動を身につけることを目標に授業を行っています。
まずは、どんな時に手を洗う必要があるか、先生との対話や、図を見ながら学びます。
次に、なぜ手を洗うときに石鹸を使うのか、実験をとおして石鹸の効果を目で見ることで、その重要性を学びます。
① まずは、手をボウルの上で洗います。手をすすいだ水は真っ黒になりました。
② 次に石鹸をつかって手を洗います。石鹸を流した水は、茶色く濁っています。
③ 最後に石鹸で洗ったあとの手を水で洗います。するとその水はきれいな透明のままでした。
①~③の水を比べます。すると、せっけんが手の汚れを落としてくれたこと、石鹸を使用したあとの手は清潔であることがわかりました。
衛生的な行動を学ぶ授業は、事業開始後さまざまな学校で計55回行われ、約1,600人の生徒が衛生的な行動を学びました。
衛生ルームと衛生グッズ
学校には、衛生に関する資料やグッズが集められた衛生ルームがあります。
石鹸、歯ブラシ、ちりとり、ブラシ、爪切り、くしなど様々なものが並べられています。右の写真のお部屋の奥にあるものは、水道のモデルです。ここで、青少年赤十字メンバーは同級生や地域の人を招き、自ら衛生的な行動を伝える活動も行われています。
このような衛生ルームは期間中に4つの学校に設置されました。
少ない水もみんなで使おう~簡易手洗い場Tippy Tap~
ネパールでは使える水が限られています。なかには、1日1時間しか水が出ない水道も。
この学校でも水道の蛇口は2つしかありません。そこで、右の写真のように簡易手洗い場をつくりました。8人が同時に水を使えるように工夫されています。仕組みは簡単です。2つの蛇口の先に1本の円柱を取りつけ、その円柱に8つの穴を空けています。
このような簡易手洗い場は3年間で6校に設置され、約700人の生徒たちが食事の前などに使用しています。
シリーズ③では、ネパールの青少年赤十字メンバーの活動やコミュニティの状況などをご紹介します。お楽しみに!
~ 続 ~
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