全国の学校長、園長が議論~青少年赤十字活動の取り組みを学ぶ~

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開会式で挨拶をする日本赤十字社 大塚 義治 社長(現・名誉社長)

青少年赤十字には各都道府県に青少年赤十字加盟校の教員で組織された「青少年赤十字指導者協議会」があり、主に加盟校の校長先生が代表として会長を務めています。
青少年赤十字全国指導者協議会総会・研修会は青少年赤十字のより一層の発展と普及促進を目的に毎年各都道府県の会長が日本赤十字社本社(東京)に参集して開催しております。2022年6月29日(水)開催した今年度の総会・研修会は昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大を受けオンラインで実施しました。

役員の改選~全国指導者協議会副会長に新たな先生が就任~

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副会長の任期が今年度末をもって満了するため、本総会で次期副会長を選出しました。岩手県の盛岡市立下橋中学校 泉澤 毅校長の就任が賛成多数で決まりました。任期は令和5年4月から2年間の予定です。

~青少年赤十字発祥の地の取り組み~

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青少年赤十字全国指導者協議会 田中会長より、滋賀県の守山小学校の取り組みについて報告がありました。守山小学校では「JRCタイム」と名付けられる、青少年赤十字の実践目標である「健康・安全」「奉仕」「国際理解・親善」について考える活動を行っています。具体例としては、安全な遊びや危険な場所の共有、スリッパ並べ、異年齢交流などです。
また、本総会に初めて参加される先生方のために、青少年赤十字と学校教育の関連性や、青少年赤十字に加盟することによるメリットも紹介しました。

学習指導要領との親和性、青少年赤十字の視点から伺える世界の現状

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研修会では、日本赤十字社から報告を行いました。
学習指導要領の中には、青少年赤十字の実践目標や態度目標「気づき・考え・実行する」に通じるキーワードを随所に見つけることができます。すなわち青少年赤十字は特別なことではなく、学校教育が目指すところと合致していると学習指導要領との親和性について説明しました。
ウクライナ人道危機での赤十字の支援からも赤十字の強みは見て取れます。それは同時多面的に人道支援を提供できることであり、現地の赤十字が中心となり、人道支援を行っていることです。世界で行われている赤十字活動を題材にして人道の心、国際理解・親善、防災について教育に取り入れられることを説明しました。

全国の校長先生が道徳・防災について議論しました

「人道の心を道徳教育に取り入れるには」、「学校・地域・家庭における防災」、の2つのテーマについて、各都道府県の取り組みや予想されることについてグループディスカッションをしました。
青少年赤十字創設100周年オープニングイベントでの指導者の先生による「人道」に関する講演動画を視聴した上で議論した「人道の心を道徳教育に取り入れるには」では、以下のような意見が出されました。
・人道という言葉はハードルが高いので、思いやり、生命尊重としている。
・相手の立場にたって考える、自分事として小学校ではカリキュラムマネジメントで道徳教育に反映していくことが大切である。
・青少年赤十字の活動は道徳教育と親和性が高い。教育的な効果を高めていくことができる。道徳教育の教科にとどまらず、様々な教科と連携して実践につなげていく。

また、有事の際に避難所となり得る学校において考えられることや準備しておかなくてはならないことを議論した「学校・地域・家庭における防災」では以下のような意見が出されました。
・停電になったマンションで水が取りに行けない高齢者のためにSNSで呼びかけた中高生が支援したという話が共有された。過疎地域が増えて中学生が頼りになる存在である。赤十字の救急法を学び、役立っている事例があった。
・日頃から地域活動がうまくいっていると避難所になった場合もうまくいく場合がある。
・学校が避難所になった場合、子どもの安否確認が大変だった。一週間くらいかかったこともあった。
・備蓄は生徒用のみである。地域住民用の備蓄はない。物資も自治体と事前に話して整備する必要があると思う。

青少年赤十字のより一層の発展と普及促進を目指した全国指導者協議会の活動に、引き続きご支援賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

以下、参加者からのご意見を抜粋

・人道支援については今後ぜひ情報をいただきたい。平和教育だけではなく、行動につながる児童生徒への生き方指導のひとつとしても提示したい。

・様々な校種の情報、意見が聞けたことは有意義だった。特に、防災に関しては、地域差があるが、過去の災害から学ぶ姿勢を大切にしたい。

・本校として、これまで、家庭・地域、そして、行政と『防災』について、これといった活動や取組をしていないので、職員の研修(地震時、水害時、それぞれの避難所としてのあり方)を含め、積極的に始めたいと思いました。

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