聞こえる人も聞こえない人もみんなで一次救命処置のトレーニングをしました!

画像

 5月26日みぶ身体障がい者福祉会館(京都市中京区)において、中京三団体防災対策本部の企画により聴覚や視覚が不自由な方が救急法講習会を受講され、一次救命処置のトレーニングをされました。今回は同防災対策部に所属し、手話を学んでいる赤十字救急法指導員 吉川奈々さんが指導を担当しました。
耳が不自由だという理由で苦しむ人を助けることができない社会であってはならないと、「聴覚障がいのある方にも救急法を伝えたい」という吉川指導員と防災対策部スタッフの熱い思いが実を結び、手話による講習会開催の運びとなりました。
 そのなかで、一番難しかったことは、AEDのほとんどが「音声ガイダンス」で操作要領を指示してくれますが、耳が不自由な方は音声ガイダンスの指示を聞くことができないことです。耳が不自由な方でも液晶画面で手順を確認できるAEDはありますが、まだまだ設置が進んでいないのが現状です。音声ガイダンスのみのAEDで耳の不自由な人はどうやって人命救助をすればいいのか?この問題に指導スタッフは向き合うことになりました。
 講習当日は、日赤スタッフが14人、そして防災対策部の呼びかけにより30人もの受講者が集まりました。障がいに関係なく、人が人を助けるという当たり前のことを自信を持ってできるように受講された皆さんが熱心にトレーニングされました。人命救助においても早くバリアフリーが進むといいですね!

画像

京都市聴覚障害者協会中京支部長  矢島幸恵さんのコメント
「講習を受けて、助けてもらう側でなく、助けてあげられる側になれるとわかりました。AEDは聾者でも見て分かるように工夫してほしいですね。119番お願い、AEDを持って来て、と伝えるとき、聾者は声を上手く出せない代わりに身振りで伝えれば良いという事もわかりました。赤十字の指導員達が手話を覚えて頂いて有難かったです」(左から2番目)

画像

今回の講習を担当した吉川指導員のコメント「聞こえる聞こえないで分けてしまうのではなく、みんなで一緒になって学んで助け合える機会になったことが嬉しいです。先ず自分に出来る事を考え行動する事が大事。家族や友達のちょっとした体調の変化に気づき声をかけるのも救命に繋がるのではないでしょうか。誰かを想い考え、そして行動する。1番大切な事だと思っております。そして本当のバリアフリーな社会へ向けて私はこの活動を続けます。(前列左から3番目)