年の差153歳!新しい赤十字社が誕生
年の差153歳!新しい赤十字社が誕生
国際赤十字は新たな赤十字社を仲間に加え、全世界191社として2018年のスタートを切りました。最初の赤十字社が誕生したのは1864年ですからその差はなんと153歳。今年も「年齢」に関わらず世界中の赤十字・赤新月社が力をあわせて人道問題に取り組みます。
「太平洋の真珠」に赤十字が
2017年12月、マーシャル諸島赤十字社が、赤十字国際委員会(ICRC)から正式に承認されました。
「太平洋の真珠」とも称される美しい島国に誕生したマーシャル諸島赤十字社は、同国で唯一の政府から独立した援助団体として、人道分野における行政機能の補完的な役割を果たしており、救命救急や健康教育、血液事業、防災・災害時の緊急救援、気候変動への対応や青少年の啓発活動等に力を入れています。
正式に赤十字社や赤新月社として承認されるためには、その国がジュネーブ条約(国際人道法)の締約国であること、その国から奉仕救護団体として正式に認められていること、などの10の条件を満たす必要があります。
▼詳しくはICRCウェブサイト(英語)へhttps://www.icrc.org/eng/resources/documents/misc/6erk5h.htm
今回の承認は、マーシャル諸島赤十字社の数年にわたる努力が実を結んだものです。今後は、2019年12月に開催される次の国際赤十字・赤新月社連盟総会で連盟への加盟が実現する予定です。
赤十字が目指す世界
191の仲間と共に新たなスタートを切った国際赤十字。昨年11月には、2年に1回、全世界の赤十字、赤新月社らが集う国際赤十字の会議(国際赤十字・赤新月社連盟総会及び国際赤十字・赤新月運動代表者会議)がトルコの地中海沿岸都市、アンタルヤで開催されました。
会議では赤十字運動の主役であるボランティアの立場を高め、保護するため、その権利や責任、使命や役割について謳ったボランティア憲章が採択されたほか、7月に国連で採択された核兵器禁止条約の実施を後押しすべく、国際赤十字としても核兵器の非人道性に注目し、その廃絶に引き続き取り組むための行動計画を採択しました。また人道教育の重要性や増加し続ける移民・難民の人々への赤十字のネットワークを通じた切れ目のない支援を行うことを再確認し、赤十字間の連携をより一層強固なものとすることを誓いました。
赤十字誕生の地から、新会長が就任
国の赤十字・赤新月社を束ねるアジア初の連盟会長として8年間の任期を全うした近衞日赤社長がつねに意識し、会長として目指したもの。それは連盟の人道第一(Humanity First)、そして、誰も取り残さない(Nobody left behind)ということ。様々な国の思惑が交差する国際社会にあって、赤十字は常に政治や宗教にとらわれず、人道の空白を作らないという信念のもと、人道支援活動に取り組んできました。
そんな思いを受け継ぐべく選挙で新会長に選ばれたのが、イタリア赤十字社社長のフランチェスコ・ロッカ氏。2022年までの4年間、連盟のトップとして世界の人道危機に取り組みます。
ロッカ氏の出身地イタリアは、赤十字誕生の場所。イタリア赤十字社は1864年に正式に承認された最初の赤十字社のひとつ。来年は連盟創設から100周年も迎え、新会長の手腕に期待が集まります。
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