シリア:東グータで戦闘が激化~シリア赤新月社の救援活動~
内戦が続くシリア、その首都ダマスカスの郊外で爆撃が続いています。東グータでは、2018年2月下旬に戦闘が激化、市民数百人が犠牲になったと報道されています。
東グータの今
2月24日、国連安全保障理事会はシリア全土での30日間の停戦決議を採択しました。これに基づき、3月までには東グータでは民間人が避難するための「人道回廊」も設けられ、6万人近くが避難所に身を寄せています。
シリアでは各地に到達困難地域 や包囲地域があります。紛争当事者によって閉じ込められ、逃げることができない住む人口の95%もが東グータにいるとされています。国連によると現在、40万人が支援を必要としています。
赤十字の対応
シリア赤新月社は、支援を必要とする人々へ昼夜を問わず緊急対応を続けています。避難所の運営や炊き出し、巡回診療、飲み水の給水場所の設置、こころのケアを担っているのは、東グータ近隣のダマスカスなどから駆け付けた650人もの地元のボランティアやスタッフ。3月中には60台以上のトラックで3回にわたり人々の生存に必要な食料や医薬品などの救援物資を東グータに取り残されている人々へ届けました。
しかし、2011年以来、60人以上のボランティアやスタッフが救命活動中に亡くなっています。国際赤十字は、市民や支援に携わるボランティアを攻撃しないよう、そして人道活動に携わる人々の使命を尊重するよう、紛争当事者に呼び掛けています。
日本赤十字社は、シリアでの赤十字による人道支援を支えるため、2015年以来、1億7000万円の支援を行ってきましたが、あまりに被害が大きく、命を救うための資金が不足しています。皆様の温かいご支援をお願い致します。