12月は、NHK海外たすけあいキャンペーン
いよいよ12月には、NHK海外たすけあいキャンペーンがはじまります。メディアや国際社会の注目を浴びることのない「静かなる緊急事態」に援助の手を差し伸べることを目的とする本キャンペーンは、中央共同募金会の「歳末たすけあい」と並び、毎年12月にNHKとの共催で行なっているものです。日本赤十字社は、これまで本キャンペーンを通じてお寄せいただいた総額約265億円の寄付金をもとに、世界159ヵ国で支援を展開してきました。今回は、本キャンペーンの特徴と今年のテーマについてお送りします。
NHK海外たすけあいの3つの特徴
① 今年で38回目を迎える歴史と信頼のあるキャンペーン
② 必要な人に、必要な支援を対象を絞らず、幅広く届けること
③ みなさまからのご寄付が実際の支援に充てられる割合:94%
中でも二つ目の特徴はとてもユニークで、女性やこどもなど脆弱な立場にある人はもちろん突発的な紛争や自然災害、病気などの様々な危機に対し柔軟な支援を行っています。何がこのようなことを可能にしているのでしょうか?
幅広い支援ができる2つの理由
①赤十字のネットワーク
「人間のいのちと健康、尊厳を守る」という赤十字の使命の下、ICRC、連盟、各国の赤十字社という3つの機関が、それぞれの強みを活かして紛争時、災害時に限らず、平時から互いに協力、連携し、世界中で人道支援活動を展開しています。このため、支援を届けることが難しい地域にも支援を行うことが可能となっています。例えばシリアでは、治安上の理由から多くの人道支援機関のアクセスが困難な中、地元のシリア赤新月社の職員やボランティアが活躍しています。
② 世界に1370万人いる赤十字ボランティア
世界に192ある赤十字社では、多くの地元の人々がボランティアとして赤十字の職員以上に活躍しています。例えば、バングラデシュでは、バングラデシュ赤新月社のボランティアはもちろん、ミャンマーからの避難民自身もまた、一定の訓練を受けて赤十字のボランティアとして活躍しているのです。このように、支援を必要としていた人びとが立ち直り、自らの経験をもとに、より弱い立場にある人々に寄り添って支援の輪を広げていくことができます。
国境を越える感染症~助けあわなければ、感染症から世界を守れない
未だ予断を許さない新型コロナウイルスの世界的蔓延。これを受け私たちも「国境を越える感染症」「助けあわなければ、感染症から世界は守れない」を今年のキャンペーンテーマとしてこの問題に向き合います。
新型コロナウイルスは、その感染力などから、現在の医療制度では太刀打ちできない、単なる病気を超えた「健康上の緊急事態(Health emergency)」という人道危機をもたらしています。
他方でこうした状況下でも襲い掛かる台風、サイクロン、干ばつ、洪水といった気候変動によってもたらされる自然災害。長引く紛争で、医療施設や電気・水といったインフラが破壊されて機能不全に陥っている国々も紛争地の今。コロナ禍における人道支援の最前線で、「救うを託されている」赤十字の姿をお伝えすることで、世界の今と未来、そして「たすけあう」ことの大切さを皆さんとともに考えていきたいと思います。詳細は、海外たすけあい特設サイトもご覧ください。
今年もNHK海外たすけあいキャンペーンへのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
コロナ禍の今、SDGs×ビジネスで何が生まれるのか?
海外たすけあいキャンペーンの一環として、Newspicksとコラボしたしたオンライン番組を放送します。SDGsを切り口に、コロナ禍における赤十字の人道支援をお伝えします。国際部職員も登壇しますのでぜひご覧ください。
令和2年11月24日(火)22:00~23:00
https://newspicks.com/movie-series/10?movieId=959