（速報）ハイチ共和国で　M7.2の大地震が発生

2021年８月14日（土）午前８時29分（現地時間：日本時間14日午後９時半頃）、中米カリブ海の島国ハイチ共和国でマグニチュード7.2の大地震が発生しました。震源は首都ポルトープランスより125km西で、震源の深さは10kmでした。
地震により病院を含む多くの建物が倒壊し、これまでに死者1,297人、負傷者5,700人が報告され（ハイチ当局発表・現地８月15日時点）、さらなる増加が懸念されています。初期の推定では被災者は少なくとも80万人に上ると言われています。

地震の震源と揺れの強さを示す地図©IFRC

ハイチ赤十字社は、発災直後からスタッフ・ボランティアを動員し、被災者の捜索・救助、負傷者の救急搬送や応急手当などの活動を行っています。また、国際赤十字・赤新月社連盟（以下、「連盟」）はハイチ赤十字社と合同で、被災地（ニップ県、グランダンス県、スドゥ県）を中心に、被害状況や支援ニーズを確認を急いでいるところです。現時点で、家屋、道路、インフラなどに大きな被害が見られ、被災者の多くが避難を余儀なくされています。このため負傷者対応の他にも、被災者の捜索・救助活動、避難所の支援をはじめ、食料や生活必需品の配付も必要です。さらには、被災者の多くが2010年にハイチを襲った大地震を経験しているため、こころのケアも重要であり、国際赤十字では各国赤十字・赤新月社とも連携をしつつ、現在これらへの対応を始めているところです。

写真左：地震被害の様子©IFRC　写真右：負傷者の救急搬送を行うハイチ赤十字社©IFRC

連盟はこの事態に対し、被災者の救援活動を支援するため、8月15日、1,000万スイスフラン（約12億円）の緊急救援アピールを発出しました。日本赤十字社（以下「日赤」）も緊急救援活動を支援するために同アピールに対して資金援助を実施します。

ハイチでは先月大統領が暗殺され、政治的に不安定な状況にありますが、政府は非常事態を宣言し、被災者の支援に全力をあげています。
また、ハリケーンのシーズンでもある現地では、熱帯低気圧「グレース」が今月17日にハイチに上陸する恐れがあり、地震の被災地に大雨、強風、土石流等をもたらす可能性が懸念されています。

ハイチでは2010年にも首都ポルトープランス近郊を震源とするマグニチュード7.0の大地震が発生し、日赤も救援・復興支援活動を行いました。当時の活動報告はこちらからご覧いただけます。

引き続き、赤十字は一丸となって被災者の救援活動を続けていきます。