【速報1】トンガ火山噴火・津波災害 1200世帯分の備蓄物資を配付して被災者救援を続けるトンガ赤十字社

南太平洋の島国トンガ沖の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」で今月15日、大規模な噴火が発生しました。この災害の影響で海底通信ケーブルが破損したことにより、19日現在、トンガでは国際電話やインターネットがつながらず、火山灰により衛星電話の通信も不安定なため、被害状況や支援ニーズの把握が遅れていました(通信は徐々に回復)。約170の島からなるトンガの人口は約10万人ですが、その約70%が首都のあるトンガタプ本島に居住しています。初期の報告によると、火山噴火とそれに伴う津波の影響により、トンガタプ本島だけでも少なくとも約100軒が倒壊、うち50軒が全壊するなど多くの家屋が倒壊し、通信や給水等のインフラにも大きな被害が発生しています。特に噴火に近く、標高の低い島々では大きな被害が懸念されており、状況の把握と救援が急がれています。

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そうした中、トンガ赤十字社(以下、トンガ赤)は発災直後からスタッフ10人とボランティア70人を動員して被災者の救援活動や被災状況のアセスメントにあたっています。トンガ赤では、以前からサイクロン等の災害に備えて、日本赤十字社(以下、日赤)等の支援を得ながら国内の救援物資の備蓄や地域の赤十字ボランティアの育成に力を入れてきました。今回の災害前には国内に1200世帯分の救援物資を備蓄しており、それらがまず被災者の救援活動に活用されています。現地からの最新の報告では、雨風をしのぐためのビニールシートや家屋修繕用のシェルターツールキット、毛布、キッチンセット、衛生用品などの必需品の配付を行っています。また、トンガ赤の緊急救援チームは、トンガタプ本島北方のハアパイ諸島に位置し、津波により家屋が壊滅的な被害を受けたと報告されているマンゴ島やフォノイフア島、ノムカ島といった離島にも政府の救助隊とともにすでに派遣され、被災した離島の人びとへの救援活動を行っています。

画像 救援物資を用意する赤十字スタッフとボランティア(2020年)©Tonga Red Cross Society

安全な飲み水の確保が喫緊の課題

現在、特に懸念されているのが、安全な飲み水の確保です。多くの家庭が雨水を貯水して飲み水としている現地では、津波による塩水と降灰の影響で水が汚染され、トンガ全土で何千人もの人びとが安全な飲み水を確保できない恐れがあります。今後、衛生環境の悪化からコレラや下痢などの感染症のリスクが高まることからも、安全な飲み水へのアクセスを確保することが最優先事項となっています。
国際赤十字・赤十字社連盟(連盟)はトンガ赤による救援活動をサポートするために、災害救援緊急資金(DREF)約43万スイスフラン(約5,400万円)を活用し、安全な水・衛生の支援、シェルター、生活必需品の支援の準備を行っています。また今回の災害で家族の安否がわからなくなった人びとを支援するために、トンガ赤は赤十字国際委員会(ICRC)のサポートのもと、離散家族支援(RFL)にも取り組む予定です。

日本赤十字社は、発災直後から、連盟やオーストラリア赤十字社・ニュージーランド赤十字社等と緊密に連携し、情報収集・支援の調整を続けています。引き続き赤十字は一丸となって被災者の支援活動を続けていきます。

画像 救援物資の配布に向かう赤十字ボランティア(2018年)©Tonga Red Cross Society

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