【速報4】アメリカ・ハワイ火災:発生から1か月、生活再建に向けて前に進む被災地の人びと
先月8日にアメリカ合衆国ハワイ州マウイ島で発生した火災から今日で1か月。被災したほとんどの地域で捜索活動が終了したことが報告され、今回の災害により少なくとも115人が犠牲となったことが発表されています(9月3日ハワイ政府)。
ここ100年の米国最悪の火災により焼失したラハイナの町©米国赤十字社
被災地では焼失した建物などの瓦礫の撤去作業が進められていますが、家に戻ることのできない島民も多数いるとされ、避難生活を続ける人びとへの安全な避難場所の提供、食事やこころのケアのサポートなどの継続的な支援が必要とされています。
―米国赤十字社の主な救援活動の最新情報(9月7日時点)―
・州政府と協力して発災直後から緊急避難所をマウイ島・オアフ島に設置し、これまで延べ91,800泊分以上の安全な宿泊場所(ホテルなど)を提供
・避難先のホテルでは災害復旧にかかる最新情報や食事、保健医療、メンタルヘルスサービス等をパートナー団体と共に提供
避難した被災者が過ごすホテルの一室に物資を届けるボランティア©米国赤十字社
・パートナー団体と協力し、被災者に412,200食以上の食事を提供
・連絡が取れなくなった家族を探して欲しいという、島内外の肉親等からの3,000件にのぼる問い合わせを受け付け、情報を提供(離散家族支援)
被災者へ温かい食事を手渡すボランティア©米国赤十字社
被災地の活動を支えるボランティアの思い
発災直後から米国赤十字社は24時間体制で支援活動を続けてきました。その活動を支えているのはマウイ島内外から支援に駆けつけたボランティアの存在です。現在までに約900人のボランティアや職員が被災地で支援活動にあたり、その数は日々増え続けています。
©米国赤十字社
マウイ島在住トニさんとマーシーさん姉妹はいとこの呼びかけにより、発災後すぐに米国赤十字社のボランティアに登録しました。彼女たちは自らが被災者でありながら、焼失した故郷や、島民への恩返しのため被災者支援を行っています。
「私の姪も、義理の兄弟もそして友人たちもみんな家を失いました。備えができるハリケーンとは違い、今回の火災は備える時間がなく、何も持たず家を飛び出すことになりました。この火災により、島民が失ったものの大きさは計り知れません」
彼女たちは、1992年にハワイを襲ったハリケーンの時、人びとが互いを支援し合い、生活を再建していくためにどのように団結したかも話しました。
「ハワイの人びとは団結して前に進みます。発災前に時間を戻すことはできませんし、復興には時間がかかることもわかっています。だから、私たちは前に進まなければいけません。そうすれば状況は少しずつ良くなると信じています」
― 「MAUI STRONG」
マウイの人びとはその言葉を胸に、自らを奮い立たせ、一歩ずつ前進しています。赤十字は被災者と現地で活動する支援者の思いに寄り添い、救援、復興、生活の再建に向けた支援を続けていきます。
日本赤十字社は引き続き、米国赤十字社による被災地での救援・復興支援活動およびハワイにおける防災・減災活動を支援するため、救援金を募集しています。皆さまの温かなご協力をよろしくお願いいたします。
©米国赤十字社
「2023年アメリカ・ハワイ火災救援金」
受付期間: 2023年8月18日(金)~2023年10月31日(火)
使 途 : 米国赤十字社による被災地での救援・復興支援活動およびハワイにおける防災・減災活動に使用されます。