6月20日は何の日?

国連は、人権や平和などについて社会の関心を呼び、取り組みを促進するため様々な「〇〇の日(〇〇デー)」を定めています。例えば3月8日は国際女性デー、4月2日は世界自閉症啓発デーですが、では6月20日が何の日か、ご存じですか?

画像 ウクライナ、防空壕に避難する人びと。©IFRC

世界難民の日

6月20日は、世界難民の日です。難民の保護と支援に対する世界的な関心を高め、国連機関やNGOによる活動に理解と支援を深める日にしよう、と制定されました。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の報告によると、世界で紛争や自然災害などによって故郷を追われ、難民や避難民となった人の数は2023年末時点で1億1,730万人に上ります。この数は12年連続で増え続けており、2024年4月には日本の人口とほぼ同数の1億2,000万人に達したとみられています。

「世界の難民と私たち2024」を開催

日本赤十字社(以下、日赤)では、世界難民の日に合わせて難民・避難民の人びとについて考えるウェビナー「世界の難民と私たち2024」を開催しました。現在日赤が支援活動を行っているシリア、バングラデシュ、ウクライナ、パレスチナに焦点をあて、故郷を追われた人びとの思いや生活をご紹介しました。その内容について、少しだけお伝えします。

p-TUR1483.jpg©IFRC/Corrie Butler

こちらは、シリア難民としてトルコで暮らすアフマドさん。トルコに来た当初は言葉も分からず、異なる生活環境になじむまで苦労したそうです。しかし今では、彼自身が大好きだという「旅行」と「食」を掛け合わせて、トルコ国内のおすすめグルメスポットなどを紹介する動画を作成し、YouTubeなどに投稿しています。また、自分を受け入れてくれたコミュニティに恩返しをするとして、トルコ赤新月社でボランティアとしても活動しています。

こちらはバングラデシュの避難民キャンプで暮らす14歳のシャヒッドさんです。彼は、このキャンプで生活する100万人近い避難民の1人です。ミャンマーからバングラデシュに逃れたシャヒッドさんのような人びとは「無国籍者」とされ、身分証明書はありません。教育、就労、そしてキャンプ外への自由な移動に至るまで、日常生活には様々な制限が課されています。そんな中で、バングラデシュ赤新月社が行うこころのケアの一環であるアートのセッションに参加したり、また日本の14歳と同じように友人とサッカーをしたりしながら家族と過ごしています。シャヒッドさんは将来の夢について、次のように話します。「先生になりたい。僕の地域の人たちに勉強を教えてあげたい。」

20240708-6aedc17453c3812b3edcd123cf0325c1b619902b.png©IFRC



難民や避難民と聞くと、私たちとは遠く離れた場所にいる「かわいそうな人たち」といったイメージが先行してしまうかもしれません。だからこそ、今回、難民・避難民が過酷な状況を生き抜くための決断を繰り返し、また避難先で新たな生活を築く力強さを持った人びとでもあるという側面を大切に、ウェビナーを行いました。参加者からは、「難民支援において、今自分ができることを考える機会となりました」、「今日学んだことや心に残ったことを家族や友達に共有したいと思います」等のコメントが寄せられました。
1億1,730万人一人ひとりに生活があり、故郷があるということを私たちは忘れてはならないのだと思います。彼ら・彼女らが尊重され、安全に暮らせる未来に向けて、赤十字は引き続き支援を届けてまいります。

こちらのYouTubeから、当日の録画がご覧いただけます。

また、日赤国際活動のインスタグラムアカウントでは、「#世界の難民と私たち」とハッシュタグをつけて、世界中の難民・避難民にまつわる様々な写真を投稿しています。こちらもぜひご覧ください。
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画像 ヨルダンの避難民キャンプで暮らすシリア難民の子どもたち。©Dan Vernon, IFRC

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