【速報2】バヌアツ地震:拡大する赤十字の活動、日赤からも資金援助の実施を決定
2024年12月17日、バヌアツの首都ポートビラ近郊で発生したマグニチュード7.3の地震から本日で1週間が経ちます。現地のバヌアツ赤十字社は地震発生直後から緊急対策本部を立ち上げ、被災した人びとへの支援を行っています。
国際赤十字・赤新月社連盟は被害の大きさに鑑み、500万スイスフラン(約8.7億円規模)の緊急救援アピールを発出、また、緊急対応要員を10名ほど招集し、赤十字のネットワークでの支援の拡大を図っています。
バヌアツはこれからサイクロンの季節に突入するため、被災状況が悪化することが懸念されています。
ポートビラの被災の様子©バヌアツ赤十字社
バヌアツ赤十字社の現在の活動
発災から1週間の間に実施したバヌアツ赤十字社の活動は下記の通りです:
◎被災状況のアセスメントと緊急救援物資の配付
バヌアツ赤十字社は被災地へ迅速にアセスメントチームを派遣し、道路や家屋の被災状況を確認しました。その際に被災住民から上がってきたニーズを元に、1,000人以上に防水シート、キッチンセット、衛生キットを配付しました。
バヌアツ赤十字社は、現地政府の国家災害管理室とともに現地で避難所や住居の支援を主導しており、効率的に支援を届けるために各機関との協働を図っています。
被災者から被災状況を聞きとる赤十字ボランティア©バヌアツ赤十字社
緊急救援物資の輸送準備をする赤十字ボランティア©バヌアツ赤十字社
◎水・衛生にかかる支援
島の水供給システムの75%が復旧していると言われていますが、水漏れなど水供給の問題は依然として深刻です。バヌアツ赤十字社は被災地域に安全な水が届くよう、これまで107Lの水を給水トラックで輸送しました。
◎応急手当やこころのケア
現地のビラ中央病院は手術室が機能していない状態が続いていますが、外来機能は維持されており、赤十字ボランティアが現地で応急手当やこころのケアを提供しています。他の8つの医療施設も軽微な被害が確認されていますが、医療の提供は継続してできています。
◎家族の再会支援
バヌアツ赤十字社は、赤十字国際委員会等と連携して、海外に住んでいる家族からの安否を心配する連絡に対応し、該当家族との連絡回復を支援しました。
海外に住む家族と電話で連絡をとる©バヌアツ赤十字社
日本赤十字社からの支援
日本赤十字社は、国際赤十字・赤新月社連盟の緊急救援アピールに対し「NHK海外たすけあい」から緊急救援支援として500万円の資金援助を決定しました。また、追加の支援についても現地やフィジーにある国際赤十字・赤新月社連盟大洋州事務所と協議中です。
また、日本赤十字社は青少年赤十字海外支援事業として、青少年赤十字加盟校で実施している1円玉募金を活用した防災教育への支援を7年間継続しています。本事業を通じてバヌアツ赤十字社とバヌアツ教育省と協力し、子どもたちが学校教育の中で防災について学べるよう取り組んできました。今回の地震で学校施設の被害も確認されていることから、子どもたちへの支援についても引き続き検討していきます。