インドネシア防災強化事業
防災教育研修を受けた教員による学校防災授業©インドネシア赤十字社
村落防災ボランティアによる津波標識の設置©インドネシア赤十字社
災害多発国であるインドネシア。その全土にネットワークをひろげるインドネシア赤十字社とともに、2020年、日本赤十字社は巨大地震の可能性が指摘されるジャワ島のケブメン県(中部ジャワ州)とマラン県(東部ジャワ州)において、コミュニティのレジリエンス強化に寄与するため、地域に根ざした防災事業を開始しました。同事業では、学校防災、村落防災、そしてインドネシア赤十字社の事業実施基盤の強化に取り組むこととしています。
2023年の主な活動
本事業を通じて組織育成された村落防災ボランティア(CBAT: Community Based Action Team)が各村の中心となって防災活動を進めています。
村落防災では、洪水に備えた水難救助訓練や災害時早期警報訓練など、災害対応のための各種研修を精力的に実施し、CBATの対応能力を強化しました。また、村の住民たちに防災知識を普及し家庭で災害に備えてもらうため、‘Door to Doorキャンペーン’と称して、各支援村においてCBATが家庭訪問を実施しました。事業地では、洪水や地滑り、火山噴火など災害に度々見舞われていますが、CBATが村の頼りになる存在として、本事業で得た知見や資機材を活用しながら災害に対応しています。
’Door to Door キャンペーン’時のCBATと住民©日本赤十字社
防災教育研修を受けた教員による学校防災授業©インドネシア赤十字社
学校防災では、学校の教員に活用してもらう‘防災教育指導要領’が完成し教員に配布しました。本指導要領に沿って教員が防災授業を実施できるよう、教員を対象とした指導研修を各支援対象校で複数回ずつ開催。各学校の状況に合わせたアプローチを先生たちと一緒に模索しました。このような取り組みに基づき、いざという時に適切な避難行動を生徒がとれるよう、研修を受けた先生たちによって生徒への防災授業が開始されています。
なお、本指導要領の策定に当たっては、日本の青少年赤十字社加盟校の先生方にご協力いただき、日本赤十字社が実施する防災教育プログラム「まもるいのち ひろめるぼうさい」のノウハウが活かされています。
更新情報
2024年11月5日:【世界津波の日】インドネシア:命をまもる取り組み
2023年12月6日:インドネシアと日本の防災を比較する~日本赤十字社の国内防災担当が見たインドネシアの取り組み~