ウクライナ人道危機救援
◆ウクライナ人道危機◆
2022年2月24日以降、ウクライナ各地で戦闘が激化。今日もなお戦闘は終息することなく、建物や住居、インフラを崩壊させ、多くの人びとの命や生活を奪っています。避難先から故郷へ帰る人びとがいる一方、未だ1,000万人近くの人びとがウクライナ西部および周辺国(ポーランド・ハンガリー・スロバキア・モルドバ・ルーマニア・ロシア・ベラルーシ)やその他の国々に避難するなど極めて深刻な人道危機が起こっています。心身の健康、居住場所、生計などの支援ニーズは引き続き膨大です。
◆ 国際赤十字全体の活動実績◆
国際赤十字は、戦闘にかかわるすべての者が国際人道法を尊重するよう訴え、ウクライナ国内そして周辺国で武力紛争の影響を受けて苦しんでいる人々に寄り添い、幅広い活動を展開してきました。
赤十字国際委員会(ICRC)の活動
1993年からウクライナで活動している赤十字国際委員会(ICRC)は、2014年に活動規模を拡大しました。ICRCは武力紛争の影響を受けた人々に人道支援を提供し、民間人の保護など国際人道法(IHL)の遵守を促しています。その人道的対応はさまざまな専門分野にわたり、救援活動や生活支援に加えて、水、医療などの必要不可欠なサービスへのアクセスを改善することで、緊急ニーズおよび長期的なニーズに対応。また、被拘束者を訪問し、離ればなれになった家族を繋いだり、行方不明者の家族も支援し、安否を突き止めるためのサポートも行っています。ICRCはウクライナ赤十字社と緊密に連携し、同社の能力向上を支援しています。
BUDGET EXTENSION APPEAL_ICRC (日本語訳:2022年2月29日発出).pdf
Appeals2023_UKRAINE_ICRC (日本語訳:2022年12月15日発出) .pdf
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の活動
国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は、ウクライナ国内の避難民及び周辺国に避難している避難民を支援するため幅広い活動を展開してきました。世界各地からこれまで合計58の各国赤十字社が対応に関与し、対応の前線で活動するウクライナ赤十字社とともに、現在も現地・遠隔での支援、資金援助、物資支援を実施しています。
EMERGENCY APPEAL_IFRC (日本語訳:2022年2月28日発出).pdf
OPERATION UPDATE REPORT3_IFRC(日本語:2022年7月5日発出).pdf
REVISED EMERGENCY APPEAL_IFRC(日本語:2023年5月10日発出).pdf
◆日本赤十字社の支援◆
日本赤十字社に寄せられた海外救援金
日本赤十字社は「ウクライナ人道危機救援金」の募集のもと、現地で危機対応を展開する国際赤十字へ総額50億2,000万円の資金援助、加えて、多岐にわたる人材の派遣により人的貢献を行ってきました。
日本赤十字社とウクライナ赤十字社が協力して実施している事業
そして現在、ウクライナ赤十字社と直接の協議を重ね、日本赤十字社の強みである保健医療分野を活かした機材支援や技術支援のほか、以下の支援事業を展開しています(2024年1月現在)。 今後も中長期的な視点で、救援・復興支援を続けます。
ウクライナにおける救援・復興支援
リヴィウ州リハビリテーションセンター支援リヴィウ救急病院の後送病院であるリハビリテーションセンターの増改築支援と技術支援を行います。また、今後は訪問リハビリテーションなど地域に根差した支援も展開していく予定です。 |
イヴァノ=フランキウスク州巡回診療支援ウクライナ赤十字社が州保健省と共同で巡回診療事業を実施。日赤は山間部に国内避難民が集中するイヴァノ=フランキウスク州への資金及び事業管理支援を行います。 |
在宅ケア支援ウクライナ赤十字社の在宅ケアは、家族が戦線に行ってしまい一人暮らしとなった高齢者や、避難民、そして障がいのある人やその家族などを対象にした、ソーシャルヘルパーによる支援です。日赤は、ジトーミル州とヴィンニツア州の在宅ケアを支援します。 |
ウクライナ赤十字社サービスセンター支援ヴィンニツァ州に建設予定の、診療所・救急車・巡回診療・訪問看護といった各サービスの拠点となるサービスセンターの建設資金及び診療所サービス運用の資金・技術支援を行います。 |
救急車支援救急車10台(救護班用5台+巡回診療用5台)の支援を実施します。ウクライナ国内での調達が困難であることから、日赤が連盟を通じて調達及び資金援助を行います。 |
緊急対応基金支援武力紛争の流動的な状況に合わせて、柔軟かつ迅速に人道支援ニーズに対応できるよう設立された緊急対応基金に対する資金援助を行います。 |
現金給付支援ウクライナ赤十字社が実施する現金給付支援への資金援助。日赤からは特に国内避難民を受け入れるホストファミリーに対する現金給付支援を行います。 |
厳冬期対策支援エネルギー供給が限られる中で厳しい冬を越せるよう、2022年の支援では発電機、家庭用の薪ストーブ3,000台やその他生活用品を、2023年の支援ではセラミックヒーター1,000台や充電キットなどを整備しました。 |
日本赤十字社からの人的貢献
日本赤十字社はウクライナ人道危機に対して人的支援も行ってきました。現在はキーウとリヴィウに日赤代表部を置き、特にウクライナ赤十字社と協力している事業の管理を行っています。また、人道危機当初はウクライナ西部のウジュホロドでの仮設診療所の立ち上げのために日赤から薬剤師と放射線技師が、周辺国の支援に対応するためモルドバにロジスティクス要員、ポーランドにこころのケア要員を派遣しました。中長期支援では巡回診療やリハビリテーション支援のために保健要員を派遣しています。
◆ウクライナ人道危機から1年◆
特設ウェブサイト
2023年2月、危機から1年のタイミングに活動をまとめた特設ウェブサイトを開設しました。
【 動画 】 武力紛争激化から1年 日本赤十字社のウクライナ各地での支援
日本赤十字社が紛争激化以来ウクライナ赤十字社と共同で進めている支援について、日赤職員が2023年1月から2月にかけて現地の状況を調査しました。現地の様子をご覧ください。
【 動画 】 国際赤十字この1年の活動の軌跡
2022年2月24日以来、赤十字は世界に広がるネットワークと活動のもとこの人道危機に立ち向かい続けてきました。避難、住居、水、食料、医療、捕虜訪問、さまざまな形の支援は、多くの命を救い続けています。赤十字のこの1年の活動の様子をご覧ください。
オンライン報告会
2023年2月24日(金)、武力紛争激化からちょうど1年を迎えた日に「ウクライナ人道危機 1年間の赤十字活動報告」を実施いたしました。
◆ウクライナ人道危機から2年◆
【 動画 】 ウクライナ人道危機から2年~想い続ける気持ちが避難民の人びとの力になる。日赤・ウクライナ赤の協力活動報告~
日本赤十字社が紛争激化以来2年目でウクライナ赤十字社と共同で進めている支援について、特に在宅ケア支援、厳冬期対策支援の報告をまとめました。
オンライン報告会
2024年2月20日(火)、武力紛争激化から2年のタイミングに「ウクライナ人道危機から2年 赤十字の活動報告会」を実施いたしました。
【速報】 ウクライナ人道危機における赤十字の対応等について / 赤十字国際ニュース
依然として続く不安定な状況下でのウクライナ赤十字社との歩み(2024年12月4日)
ウクライナ人道危機 地域コミュニティにおけるリハビリテーション支援(2024年9月4日)
ウクライナ赤十字社の幹部職員が東京と広島を訪問(2024年7月17日)
ウクライナ人道危機から2年、赤十字の活動は今(2024年2月28日)
【速報】ウクライナ南部ダム決壊: 赤十字の緊急救援と国際人道法(2023年6月8日)
ウクライナ人道危機:地域の赤十字と協力して進める日赤の中長期支援~巡回診療支援~ (2023年5月17日)
ウクライナ人道危機:あれから1年、多くの命が脅かされてから。(2023年3月1日)
ウクライナ人道危機:厳しい冬を迎えるウクライナ、求められるのは早急な厳冬期対策支援(2022年12月7日)
ウクライナ人道危機から半年:赤十字活動の軌跡とこれから(2022年9月7日)
日本赤十字社 / 国際赤十字の活動報告
活動報告書
日本赤十字社 1年間の救援活動報告
国際赤十字 半年間の活動報告書
国際赤十字 1年間の活動報告書
過去に実施したオンライン報告会
◆「ウクライナ人道危機救援金」受け付け中 ◆
日本赤十字社では「ウクライナ人道危機救援金」を、2025年3月31日まで受け付けております。皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
受付期間: 2022年3月2日(水)~2025年3月31日(月)
使途 : 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、および各国赤十字・赤新月社が実施する、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国とその他の国々における救援活動を支援するために使われます。