モンゴル赤十字社保健支援事業

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「ゾド」と呼ばれる冷害の影響により家畜被害を受けるモンゴル © MRCS

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新型コロナウイルスの影響を受けた人々を対象とした精神保健・心理社会的支援研修を受けるボランティア © MRCS

日本と同じく「東アジア地域」に属する内陸国、モンゴル。大草原や遊牧民といった牧歌的なイメージから一転し、近年は気候変動の影響により、「ゾド」と呼ばれる極端な冷害や雪害が発生しています。2023年の冬には近年で最も深刻と言われるゾドにより18万世帯が被災し、モンゴルの全ての家畜の10%にのぼる600万頭もの家畜が死ぬなどの災害に見舞われました。一方で、夏には干ばつや砂嵐、豪雨災害が発生し、この20年間で災害発生件数は2倍に増加しています。このような気象災害への対応は、同国の優先的課題ですが、加えて経済不況による貧困、へき地での医療サービスの不足等により、特に遊牧民のように社会的に弱い立場に置かれやすい人々のいのちと健康が脅かされています。

モンゴル赤十字社は1939年に設立され、首都ウランバートルの本社と33の支部を拠点に災害、保健、生計、教育等多岐にわたり国の全土で活動しています。近年深刻化する気候変動の影響に備え危機対応能力を向上させ、社会的ぜい弱性を軽減するため、コミュニティの人々が主体となって取り組む公衆衛生の増進を中長期戦略の一つに掲げています。

2024年4月、日本赤十字社はモンゴル赤十字社が主体となって行う3カ年の保健支援事業を開始しました。本事業では、現地のボランティア等を中心に、救急法講習の普及とこころのケアの体制づくりを進めることで、災害時の迅速かつきめ細かな支援を実現するとともに、平時からの人々の健康増進に取り組みます。

事業概要について