13/04/18
福島県相馬市に建設されている災害公営住宅「井戸端長屋」は、震災により仮設住宅などでの生活を余儀なくされていた高齢者や障がい者が半共同生活を送る恒久住宅です。台湾赤十字組織からの海外救援金をもとに日本赤十字社が建設費の一部を支援していますが、その2棟目と3棟目がこのほど完成。4月12日に行われた竣工式には、立谷相馬市長及び台湾赤十字組織の葉金川(ヨウ・チンチュアン)副会長も臨席し、入居予定者らとともに完成を祝いました。
日赤が建設費の支援を行っている4棟のうち1棟目は昨年8月に馬場野山田団地内に完成しています。
今回、市営狐穴団地と南戸崎団地に建設された2棟で竣工式が行われました。
(写真左:正面玄関前での記念撮影の様子)
井戸端長屋は全館バリアフリー仕様。2DKの個室のほかに、入居者が共同で利用するランドリースペースや食堂、災害時の支援拠点としても活用できる「共助スペース」などが設置されています。お互いのプライバシーを保ちつつ、自然な近所付き合いが楽しめる設計になっているなど、被災高齢者の孤立化を防ぐ工夫が随所に凝らされています。
竣工式で台湾赤十字組織の葉副会長は「被災者を思う台湾国民の気持ち、愛が形となったものが私たちの支援。今回、恒久住宅に台湾からの救援金が使われ、被災者の皆さんに長く活用いただけることがとてもうれしい」とあいさつ。立谷秀清・相馬市長は「地域に開かれた長屋として活かされ、復興のシンボルとなることを願っています」と期待を込めました。
南戸崎団地の長屋に入居予定の女性(80歳)は「壊れた家を立て直すのは、この歳ですから難しいですよね。震災後はみなし仮設で暮らしていましたけど、ここに長屋ができて本当に助かります。引っ越してくるのが楽しみです」と目を細めました。
(写真右:台湾赤十字組織の葉副会長から記念品贈呈の様子)