12/05/24
■被災者の不安解消へ
仮設住宅で生活する一人暮らしのお年寄りや障がいを持つ方々は、体調不良や急病といった緊急時の対応に少なからず不安を抱えています。そこで、日本赤十字社では「あんしんキット」を配布し、万が一のときに備えています。
あんしんキットとは、高齢者や障がい者などの安全・安心を確保するため、医療情報(かかりつけ病院・持病・お薬手帳)や診察券(写)などの情報を収納し、自宅内の所定の場所に保管しておくための筒状の専用容器です。
宮城県内の市町村を通じて、約4万個を被災者のもとへ届けています。救急隊に正確な情報を伝達し、迅速かつ適切な処置ができるツールとして役立てられています。
■コミュニティー形成の一助
キットの組み立ては、社会福祉法人「ふれあいの里ラボラーレ」(在宅障がい者多機能支援施設)に委託している他、仮設住宅の集会所で入居者の方々のご協力により作られています。(写真右:仮設住宅の集会所でキット作りの様子)
この事業に携わった担当者は、「一人暮らしの方や高齢者の方々に緊急時のときの備えを通じて安心をお届けし、配布時のコミュニケーションによって仮設住宅のみなさんの孤立化を防ぐことができたらうれしい。事業としては小さな取り組みですが、製作者から受益者まで、人と人との絆を大切にこころ通うコミュニティー形成が進んでほしい。」と期待を寄せています。
日赤は今後も、高齢者や障がい者などが安心して生活できるよう、支援を続けていきます。この事業は、世界各国から寄せられた海外救援金を財源に実施しています。