12/03/23
日本赤十字社は、岩手・宮城・福島の被災3県に建設された仮設グループホーム(障がい者や高齢者が介護士らの援助のもと共同生活する施設)の入居所が、安心して暮らせる環境づくりを支援しています。平成24年1月末までに61施設に対して、テーブルやベッド、テレビ、洗濯機、AEDなど約2000点の備品を寄贈しました。
昨年の東日本大震災では多くのグループホームが被災し、福島県においては、原発事故で避難を余儀なくされた施設も少なくありません。プレハブ作りの仮設施設が各所に建てられてきましたが、生活に必要なさまざまな備品を失った施設の多くは、再出発に困難を抱えていました。
宮城県石巻市のグループホーム「あゆかわの郷」もその一つです。震災時の入居者18人は、スタッフの機転により高台に避難して助かりましたが、建物は津波で壊滅。入居者は避難所などを転々とし、救援物資のおにぎりやカップ麺でいのちをつないできました。入居者の家族も被災したため、面会もできない状態が続いたといいます。そうした困難を経て、9月30日、仮設施設が県などの助成により完成。しかし、「家電や生活備品までは手が回りませんでした」と代表を務める小笠原均さんは打ち明けます。
そこで日赤は施設の再開に必要な生活備品69点を寄贈。小笠原さんは「本当にありがたかったです。困難を乗り切ってこられたのは、さまざまな人々のご協力があったからだと思っています」と感謝の言葉を寄せてくれました。
グループホームへの生活備品寄贈は、世界中の人々から届けられた「海外救援金」によるもの。日赤は今後も、被災地の障がい者や高齢者を支援する活動を続けていきます。
(写真:真新しいテーブルやテレビの揃った部屋で過ごす、午後のひととき)