13/06/04
家族や友達を亡くすなど東日本大震災で強いストレスにさらされた子どもたちを支える「いわてこどもケアセンター」がこのほど、岩手医科大学の矢巾キャンパス(紫波郡矢巾町)に完成。設備整備は、クウェート政府から日本赤十字社に寄せられた海外救援金1億3,700万円を財源としており、5月29日、クウェートへの感謝と友好を記したプレートの除幕式が同センターで行われました。
(写真:設置されたプレート)
岩手県教育委員会による調査では、震災後半年の時点で震災ストレスを抱えていた子どもたちは小中高校の児童・生徒だけで約2万人。震災が子どもの心の健康に大きな影響を及ぼしていることから、同県では宮古、釜石、気仙の3地域に「子どものこころのケアセンター」を設置し、県内外の医師の協力を得て週1回程度の相談を実施してきました。
しかし、利用者の9割が未就学児や小中学生であり、相談内容は中長期的なケアが求められるものが大半であることから、医師などのスタッフが常駐する拠点設備として「いわてこどもケアセンター」を設置することになったもの。同センターは、震災ストレスを抱える子どものケアを行うとともに、各地域ケアセンターへの医師派遣、児童精神科医の確保・育成などの役割を担っていくことが期待されています。
除幕式には、アブドル・ラーマン・アル・オタイビ駐日クウェート大使、達増(たつそ)拓也岩手県知事、小川彰岩手医科大学理事長らが出席。オタイビ大使は「子どもたちに必要な特別なケアやサポートを与える環境を整備することは今、何よりも緊急な課題。このセンターは、被災地の子どもたちの生活の充実と心身の健全な発達に貢献し、この悲劇を乗り越える一助となることでしょう」とセンターへ期待を寄せました。これを受け、岩手医科大学の小川理事長は「子どもたちの心に寄り添い、大きな希望と安心を与えるよう努力します」と決意を表明しました。
(写真:右から3番目がオタイビ駐日クウェート大使 )