12/10/19
日本赤十字社は、福島県浪江町からの依頼を受け、平成24年10月15日より「いわき市内に避難している浪江町民の健康調査等事業」を開始しました。
昨年の福島第一原子力発電所事故後、浪江町の役場は二本松市に設置されましたが、多くの方々がいわき市内で避難生活を送っています。そのため、行政サービスが十分にいきわたらず、特に借り上げ住宅にお住いの方々は住民同士が集う場も少なく孤立しやすい状態となっています。
避難生活を送る方々に適切な保健衛生サービスや必要なケアが提供されるためには、まず健康状態の把握が急務であることから、日本赤十字社は、来年9月までの1年間の予定で、全国の医療施設と日本赤十字看護大学から派遣する看護師や保健師が二人一組となって、約2,000名の住民の方々を対象に戸別に訪問し聞き取り調査を行います。調査結果は、健康に関するニーズを整理し浪江町に提供します。
同日には開所式が行われ、檜野照行副町長は「漂流するような避難生活が続き、人と人との寄り添いを待っている町民にとって個別訪問は心強い」などと挨拶がありました。
第1班として北見赤十字病院から派遣された看護師に血圧計や聴診器などが常備された携行バックが手渡されました。<日本赤十字看護大学の看護学部長(写真右)から携行バッグを受けとる看護師(写真左)>
本事業が、浪江町が将来的に町民の健康の維持・増進のためのシステムを構築させていくこと、また、避難されている方々の孤立化を防ぎ、コミュニティづくりの手助けになることを期待しています。