ホームページ > 東日本大震災活動レポート > 医療支援 > 被災高齢者の心労に忍び寄る肺炎リスク

東日本大震災活動レポート

医療支援

被災高齢者の心労に忍び寄る肺炎リスク
3県で予防接種の無料支援

12/03/16


 日本赤十字社は岩手、宮城、福島の3県とそれぞれの県医師会と協力し、3県の70歳以上の高齢者を対象に、肺炎球菌ワクチンの接種を支援しています。海外救援金を財源とする復興支援事業の一環で、指定医療機関での接種費用を日赤が全額負担するというもの。平成24年1月末までに約38万人が接種を受けています。

 日本人の死亡原因第4位を占める肺炎。特に高齢者の罹患リスクが高いといわれています。被災地で慣れない仮設住宅暮らしを強いられ、ストレスにさらされている方々は身体の抵抗力も低下しがちで、ウイルスの感染が懸念されています。

(写真:予防接種が感染症のリスクを軽減)

 70歳以上の高齢者の肺炎は、肺炎球菌を原因とするものが一番多いといわれています。今回の予防接種は、この肺炎球菌の働きを抑えるもの。1月末までに岩手県で約11万人、宮城県で約12万人、福島県で約15万人への接種を支援。引き続き3月末まで接種を行っています。

 岩手県立陸前高田仮設診療所で接種を受けた佐々木光子さん(80歳)は、「回覧板で実施を知りました。風邪をひいた後、肺炎になる心配がないのでよかったです」と笑顔で話してくれました。