ホームページ > 東日本大震災活動レポート > 教育支援 > 台湾からの善意で被災地に新園舎~岩手県山田町

東日本大震災活動レポート

教育支援

台湾からの善意で被災地に新園舎~岩手県山田町

13/10/28

東日本大震災によって壊滅した岩手県山田町の私立保育園の園舎が日本赤十字社と台湾の赤十字組織の支援で再建され、10月7日に落成式が行われました。11月1日から真新しい園舎での保育がスタートします。

 私立わかき保育園はあの日、押し寄せた津波で園舎が流されました。以来2年半、町内にあるお寺の一角を借りて運営されていましたが、地域の高齢化の中で園の再建は困難と見られていました。こうした中、台湾の赤十字組織からの海外救援金をもとにした日赤の園舎建設費補助(1億9000万円)が決定。台湾との友情を深める意味を込めて、園名は「日台きずな保育園」と改名されました。
(写真左:台湾の皆さんの善意で建てられた保育園の園舎)
.
 園を運営する社会福祉法人親和会の山﨑幸男理事長は「高齢化するこの地域の状況を考え、保育園の再開については半ばあきらめていました。2012年2月、園を訪問した台湾赤十字組織の王清峰会長から『応援するから頑張れ』という言葉をいただいたことで、もう一度やっていこうと決心がつきました」と語ります。
 震災後の保育は「ちょっとしたことで泣き出すなど、子どもたちの落ち着きのなさが目立ちました。みんな大きなストレスを抱えていたので、健康状態も心配でした。送り迎えの距離や時間が長くなったことなど、保護者の苦労も大きかったと思います」と山﨑理事長は振り返ります。


 新しい園舎は津波の心配がない高台に建設。併せて幼稚園と保育園が一体となった認定こども園として生まれ変わりました。「子どもが少ない地域であることや、津波被害に遭った土地であることを受けて、少しでも安心して子どもを預けられる施設を目指します」

 同じ敷地には高齢者施設と障がい者施設も建設されました。「地域の方々と共有してきた『きずな』を大切にして、皆さんに元気と希望、夢を持ってもらえるような場所としたい」と山﨑理事長は目を輝かせて語りました。
(写真左:落成祝賀会では子どもたちの元気な声が響きました)